「自分の市場価値を上げるには、どうしたものか…」
他社で自分の能力が通じるのか、不安になることは誰しもある。
「自分の市場価値って、どのくらいなのだろうか…」と。
いま会社で通用しているのは、偶然で実は全く能力がない自分に不安になる。
だけど、市場価値というモノが何かを知り、どうすればサラリーマンの価値を高めることができるのか、僕は仮説を検証することにした。
5年後、10年後、この仮説が検証される時はじめて、自分の市場価値が高まったのか答え合わせをしたい。
もしあなたも、僕と同じように市場価値を高めることに興味があれば、どうかお付き合いください。
市場価値とは何か?
”市場価値”という言葉を想像すると、値段が高いのか安いのか、手に入りにくいのか手に入りやすいのか、そんな商品のイメージを持つ。
これをを人にあてはめると、市場価値が高ければ高い給料を支払われ、希少な人材ということになる。
逆に、市場価値が低ければ安い給料が支払われ、平凡な人材ということなる。
仕事における市場価値とは、個々のスキルや本人の人間性が、その時々における人材市場でどのように評価されるのかを示すものとなる。
その基準は時代と共に変化していくので、絶対的な数値や価値観があるわけではない。
仕事の内容が変われば必然的に求められる人材も変わっていく。
たとえば、昔は駅前の改札には必ず切符きりをする人が必要だったが、いまはSuikaというテクノロジーに仕事が奪われた。
自分の価値について考えるだけでなく、時代に合った基準を知ることが重要なのだ。
IT化が進み単純作業はロボットが人間の代わりを務めるようになってきている。
そのため人材市場では、その人にしかできないスキルを持っていることが重要視される傾向にある。
つまり、市場価値を高めるとは、人材市場において自分にだけできるスキルをできるだけ有し、必要な会社に対して提供できる度合いのことを表すのだ。
では、どうすれば市場価値を高められるのか?
市場価値を高める方法
市場価値を高める方法に、”3つの仕事を掛け算する”方法がある。
日本の終身雇用の特性上、未だに1つの会社で根強く働く人が多い世の中だ。
いくらフリーランスやベンチャー企業が増えたといっても、 8割以上の日本企業は未だに終身雇用を貫いている。
人事・雇用に関する調査:企業の事業展開と雇用に関する実態調査|労働政策研究・研修機構(JILPT)より
多くの人は他社を経験せず、1つの会社で自らという存在の刀を研ぎ続けているのだ。
だとすると、人材市場の原則からすれば、自分にだけできることが1個よりも2個の方が希少性は高い。
2個よりも3個の仕事ができる方が希少性は高いのだ。
断っておくが、1つの企業で10年ほど働いたとして、1個の仕事が身につく前提がある。
フリーターのように掛け持ちでバイトをすることは、人材市場での価値には繋がらない。
なぜなら、フリーターでやれる仕事は誰にでもできる内容が多く、スキルが身につかずに人材市場での価値にカウントされないからだ。
それを踏まえ、”3つの仕事を掛け算する”方法を実践する。
この考えは、グロービス経営大学院の特任教授である、藤原和博さんが提唱する考えだ。
彼は、これをキャリアの大三角形と呼ぶ。
図に表すとこうだ。
20代の内に、1つの仕事を1万時間を費やして、100分の1の人材を目指す。
そのことにより、自分のキャリアのドメイン(軸足)ができると、彼は語る。
僕の例で当てはめると、僕は化粧品会社の生産技術エンジニアとして、主に研究や開発に関する業務を通して、”モノ作り”というドメインでキャリアを積んで8年だ。
あと2年もすれば”モノ作りのベテラン”として、確実に地に足がつくだろう。
彼は、この次に30代になった頃にもう片方の足でライフライン(食っていける仕事)をつくるように足場を確保すべきと語る。
つまり、このライフラインというのは、ドメインを残した状態で踏み出す別の一歩であることから、これまでのキャリアとは軸をズラした職種や業種へチャレンジをすることを意味する。
たとえば僕の場合、”モノ作り”というドメインを10年築き上げたならば、これを残した状態で化粧品を作る仕事から別業種へのチャレンジが市場価値を高めることに繋がる。
あるいは、モノ作りをする生産技術エンジニアという職種から、研究開発という一段上の上流工程への仕事へチャレンジする職種変更だ。
そして最後に、30〜40代となり、試行錯誤としてキャリアの片足をステップさせるのだ。
これにより、キャリアの大三角形は完成する。
僕の例でいうと、20代でモノ作りの生産技術エンジニアという仕事で軸足を固める。
30代で軸足を残した状態で他業種あるいは他の職種へのキャリアを積み重ねたとする。
40代でモノ作りの軸足あるいは、30代で築いた仕事の片足を大きく前に出す。
これにより、”20年以上モノ作りに精通した複数の業種あるいは職種を経験し、そこでの経験を新たな仕事に昇華できる人材”として、必要とする企業が現れば、価値を創ることが可能だ。
1つ目のキャリアで100分の1の人材になる。
2つ目のキャリアで100分の1の人材になる。
そして、3つ目のキャリアでも、100分の1の人材になることができれば、これらをかけ合わせて100万分の1の人材として、最強のサラリーマンになれるのだ。
あくまで僕自身の仮説ではあるが、実際に会社の中途で役職付きで入ってくる人を観察してみると、この理論にそぐう人を何人も僕は目の当たりにした。
食品会社や自動車会社でのキャリアを積み、モノ作りの品質管理に精通した人たちが、僕が働いている化粧品会社にどんどん中途で入ってきた。
100年後も同じ状況かは定かではないが、40代の時にステップして踏み出して完成するキャリアの大三角形を意識して、働き続けるだろう。
その時までに、具体的にどのようなスキルを磨けばよいのだろうか。
藤原さんはこう語る。
サラリーマンに最も必要なスキル
藤原さんは、”生きる力の 逆三角形”という概念を提唱している。
この図では、学校教育での”情報処理力”と社会人になって特に身につけるべき”情報編集力” があわさり、人間力が形成されると説いている。
どどのつまり、人材市場の基礎的な価値は、この図の能力を身につければ自ずと向上する。
特に”情報編集力”が、我々サラリーマンにとって、最も重要な能力だ。
この能力は、全部で5つに分解できる。
①コミュニケーション・リテラシー
情報編集力の中で、僕が特に重要だと思う能力だ。
社会人として働いていく中で、人に対してコミュニケーションを自発的に取ることばかりだ。
以前の記事にもかいたが、人に対して分からないことを素直に質問したり、相手を思いやりのないコミュニケーションで人から嫌われたら仕事が思うように進まない。
そんな時は、コミュニケーション力がない人が仕事で使うフレーズ集を活用してほしい。
②ロジカルシンキング・リテラシー
ロジカルシンキングは、仕事において人を説得するのに必要な思考ツールだ。
特に、ファクトで物事を考えることは、ロジカルシンキングの基本中の基本だ。
自分の思い通りに仕事を進める上で、物事を構造的に捉えて、理路整然と語って人を説得するのに必要な能力だ。
このスキルは難易度が高いことから、有している者への市場価値は高い。
③シミュレーション・リテラシー
シミュレーションとは、仮説思考ができるかということだ。
仮説思考とは、物事を想像し、何が起きて何が必要でどうすればよいのか、仮の答えを自分で作り出す能力のことだ。
会社では、学校の先生のように手取り足取り教えてくれる人はいない。
常に自分で考え、最適解を見つけだして仕事を処理していく。
頭の中で仮説をつくりだし、それを検証することで会社にとって利益をもたらすのか、お客様を喜ばせられるのかを考えるシミュレーションが重要なのだ。
④ロールプレイ・リテラシー
ロールプレイとは、現実に起こる場面を想定して、複数の人がそれぞれ役を演じ、疑似体験を通じて、ある事柄が実際に起こったときに適切に対応できるようにする学習方法の一つだ。
③のシミュレーションと組み合わせ、実際に行動していく力だ。
仕事では、どんなに優れたアイデアも、行動しなければ価値はゼロである。
⑤プレゼンテーション・リテラシー
最後は、サラリーマンが最も苦手とする、人に提案や報告をするプレゼンテーションである。
ビジネスの場では、幾度となく上司や先輩、取引先にプレゼンテーションをする機会が無数にある。
その際、上手く伝えることができずに仕事が失敗することはあるし、手戻りは起きて二度手間が発生することがある。
人に自分を考えていることを伝えるのが苦手な人は、多いだろう。
それを克服するためには、長い年月をかけてプレゼンテーション回数をこなすことが重要だが、まずは人に伝わるプレゼンテーションのPREP法を実践するとよい。
情報編集力はポータブルスキル
5つの能力を基にした”情報編集力”は、どれも他社でも通用するスキルばかりだ。
これらのスキルは、ポータブルスキルと呼ばれる。
持ち運びが可能なスキルであるため、汎用性が高く、自社だけでなく他社でも重宝されやすいスキルなのだ。
この能力を身につけながら、これからキャリアの大三角形を形成することが重要ということになる。
市場価値を知るための便利ツール
市場価値を高めようと思っても、今自分がすでに高い市場価値なのかそれとも低い市場価値なのか、現在の市場価値を知ることが最も重要だ。
僕は、常に自分の市場価値を定期的に調べるため、「ミイダス」というアプリツールを活用している。
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サラリーマンの市場価値を高める唯一の方法は、3つの仕事を掛け算させることで、自分のキャリアを充実させるに違いない。
その上で、”情報編集力”を特に高めるために自己研鑽をする必要がある。
そして、自分の能力が向上しているかを定期的に市場価値と照らし合わせて確認することが重要なのだ。
共にがんばりましょう。
以上。
今日はこんなところで。
−書き手−
キャリアコンサルタントのはるきち(@harukichi_macho)
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