どうも、キャリアコンサルタントのはるきち。(@harukichi_macho)です。
今日は「高卒の新卒採用のルールが変わることで起こること」を書いていきましょう。
これからの高卒就職者の身に起きることを先日の日経新聞の社説から読み解いていきます。
高卒キャリアコンサルタントの自分の視点から書いていきます。
本記事は要約すると、これからの「高卒の新卒採用のルールが変わることで起こること」を以下のように考えています。
<これまで>
高校の先生が決められたルールで進めていく受動的な就職活動
<これから>
高校生が自ら自由に会社を選ぶ主体的な就職活動
それではなぜ、このような高卒採用のルールが変わるのでしょうか?
- 高校生の就職ルールを見直す国の動きについて
- 高卒向けの求人票が高校に届くまで
- 入りたい会社を選ぶまで
- 志望した企業への見学
- 就職試験
- 高卒採用のルールが変わることで起こること
- まとめ
- 【PR】現状に本当に不満を感じるなら転職もあり
高校生の就職ルールを見直す国の動きについて
4日前の日経新聞の朝刊の社説で文部科学省と厚生労働省がまとめた報告書によれば、以下のような動きがあります。
①高校生が一定期間の間に複数企業への応募を認めることを地域ごとに見直しを促している(これまでは原則1社のみ)
②認めない場合でも複数企業への応募を可能とする時期の前倒しが望ましいとしている
③学校推薦を使わずに民間企業経由の就職ができる
(その場合の統一応募用紙の提出が必要)
2020年2月23日の日本経済新聞朝刊の社説より引用
ほうほう、とりあえず国が高卒就職のルールを変えようとしているのは何なとなくわかりますよね。
まずは高卒就職がどのような仕組みになっているかを説明しますね。
高卒向けの求人票が高校に届くまで
高卒就職では毎年7月から民間企業よりハローワーク経由で求人票を高校に一斉送付して高校生は企業からの求人を見ることができます。
自分は工業高校でしたので、機械関係の民間企業求人ばかりでしたね。
当時届いた求人数は確か1000社近くあった気がします。
1学年が270人で就職者が7割の200人程度だったと記憶しています。
一人あたり約5社の求人情報があるわけですが、それ以上に1000社の中から自分にあった会社を探すのは非常に難しいです。
自分が会社を選ぶポイントについてはこちらにまとめて書いてあります。
入りたい会社を選ぶまで
夏休みに入った7月の下旬頃に3社面談があり、そこまでに希望したい企業を3社ほどピックアップします。
そこから、校内選考を経て、希望した企業へ見学できるかどうかが決まります。
※ここでの校内選考は学業成績+課外活動(部活動の成績が主)で評価されて選ばれます
自分もそうでしたが、わずか一ヶ月もない中で自分の人生を左右する会社を選ばなくてはならないのは衝撃です。
さらに、この求人は各高校から1人までしか応募できない仕組みになっているのは、入りたい会社があっても受けることすらできないなんて・・・と落胆したのをよく覚えています。
当時は色々と考えましたが、喉元過ぎれば熱さを忘れるとはまさにこのことで、あの時の会社選びには悶々とした時間がありました。
志望した企業への見学
部活動も落ち着いた後の高校3年生の夏休み(8月)を利用し、生徒は企業へ一人で訪問して会社説明会なるものを受けます。
大学生の就活と違い、高校生の企業見学はほとんどが少人数なので、自分の時は1人だけで企業の人事の方と職場を見学したり仕事の話を聴いたのを覚えています。
流れとしては、以下のパターンが多いです。
・職場見学
↓
・企業説明
↓
・質疑応答
この質疑応答のときに質問を用いしておくことが重要ですが、自分はあっけらかんに「特にないです」と言ったのを今でも覚えていますw
この質疑応答が実は生徒への評価(自社に入りたいかの意欲があるか)をしていたのは後で知りました。
就職試験
高卒採用における就職試験は9月中旬頃からスタートします。
大体の企業は「面接 」は必須であり、そこに筆記試験として適正検査などがあります。
順調にいけば、10月上旬〜中旬には内定通知がきます。
そして、ここで問題なのが高卒者の就職試験は1人1社制という問題です。
就職試験は内定をもらうまで1社ずつしか受けることができず、 受けて落ちた場合のみ、次の会社への応募ができるというルールになっています。
それにより、自分のクラスメイトで最高5回の就職試験を受け、2月頃に内定を貰っている奴もいました。
5回目に受けた会社なんて致し方なく内定が貰えるから入るみたいな感じだったと思います。。
職業選択の自由など言葉ばかりで、実際の高校生たちがしている就職活動は1社ずつしか会社を見て比較することすらできずに、入れなかったら次を探すという非効率な採用ルールが今の現状です。
もちろん、最後の最後に入社するかどうかの決断は個人の意思です。
進路指導を担う先生たちのマンパワーが足りておらず、1人1社制の効率重視の進路指導しかできない仕組みが悪いことも納得はしています。
ですが果たして、この仕組みでよいのでしょうか?
高校生の人生が掛かっている「就職」というビッグイベントが、圧倒的な就活コストを下げることを目的とした現在の仕組みのままで当人たちにとってよいのでしょうか?
高卒採用のルールが変わることで起こること
個人的には、これからの日本における高卒採用のルールは大きく変わると思います。
具体的には、「1人1社制の廃止」と「民間人材紹介会社のキャリア支援」の導入が進んでいくと考えています。
理由は3つあります。
①少子高齢化社会による働き手の不足
2050年の日本人口は9515万人になります。
これはピーク時の2004年から3000万人減るということです。
(下図参照)
そして高齢化率も2倍近くあがります。
高齢者を再雇用するなどで働き手の不足解消に向けて企業は動いていますが、それよりも若くて長く働ける若者の需要が高いという事実があります。
せっかく高齢者を採用しても、会社で働ける期間は10年あまりでしょう。
それに比べて高卒で採用することで、辞めずに働くことができれば40年近く働いてくれる働き手となり得ます。
このことから、高卒という人材が希少な働き手としてこれから重宝されることは間違いないと自分は考えます。
②成人年齢引き下げに伴う高卒就職者の裁量緩和
上記の日経新聞にも記載がありましたが、2022年から成人年齢が18歳に引き下げられます。(2020年現在は成人年齢は20歳)
これにより、以下のことができるようになります。
この中で特に影響があるのは「親の同意がなくても契約ができる」という点です。
現在は高卒で就職する場合でも、まだ20歳以下ということで子供扱いされます。
それにより、実家から出て働きたくても親が許さなかったりします。
これが緩和されることにより、より多くの選択肢を高卒で就職する若者は手にすることが可能となります。
また、様々な資格取得もできることから、資格を持っていないとつけないような仕事に就ける可能性も増えます。
そして何よりも、大人として世間から認められることにより、自分の人生を自分で切り開いていくという社会的責任が課せられます。
「高校生として」ではなく、「大人として」の就職活動が始まれば、学校外での企業説明会などの大学生の就活に近い仕組みができる可能性があると思います。
③高卒新卒採用の民間企業による改革
近年では、高卒新卒採用に特化したサービスや企業が増えてきています。
たとえば、こちらの「ハッシャダイ」という会社では「ヤンキーインターン」という形で主に地方の高卒生を東京の企業で住み込みのインターン形式でキャリアを積み社会に貢献するビジネスを展開しています。
学校外での高卒キャリアの選択肢が増えていることもあり、既存の1人1社制の高卒採用のルールが廃止に繋がると考えます。
また、高卒の新卒採用に特化した会社も増えており、たとえばこちらの「ジンジブ」では、「ジョブドラフト」という民間では稀な高卒の新卒求人を取り揃えて展開しています。
これらの民間企業の取り組みからも、高卒就職者に対する期待と可能性について示唆されています。
これからの高卒就職は、学校に頼らずに高校生が自ら就活をして内定をもらうという方法が定着していく可能性が高いと思います。
まとめ
「高卒の新卒採用のルールが変わることで起こること」について書きました。
冒頭でもお話した通り、これからの高卒における新卒採用のルールは大きく変わっていくと思います。
<これまで>
高校の先生が決められたルールで進めていく受動的な就職活動
<これから>
高校生が自ら自由に会社を選ぶ主体的な就職活動
自分は、少しでも高校生の自由度がある就職活動を応援します。
無限の可能性がある高校生の将来に少しでも希望と未来ある選択ができる世の中になれば、嬉しいですね。
今日は以上でっす!
はるきち。
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