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大企業の工場で高卒が成り上がるために働いた8年間の軌跡

今週のお題「〇〇からの卒業」

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本記事は、私(@harukichi_macho)が経験した、「大企業の工場で高卒が成り上がるために働いた8年間の軌跡」となります。

 

これから高卒で就職活動に向かうであろう高校生や、将来に不安を抱えながら工場で働いている高卒サラリーマンの方に希望になるんじゃないかと思い、書きました。

 

2021年2月末。

私は8年間勤めた、某大手化粧品会社の工場を退職しました。

 

退職時のスペックは以下の通りです。

  • 年収580万
  • 高卒8年目26歳
  • 技術系の総合職(全国転勤あり)
  • 業務内容:工場で化粧品の新製品立ち上げ、生産技術開発、プロジェクト運営、PJリーダー、生産トラブルの仮説検証、管理職への提案資料作成

まず始めにお伝えしたいことは、高卒で働いた18歳から8年間、会社に対して感謝しかなく、最高の8年間でした。

 

8年前に遡り、再び高卒で就職したとしても、辞めた会社と同じところに入りたいと自信を持って語れるほどの会社です。

 

最終出社日には数々の方から、

「新天地でもがんばれよ!」
「辛かったらいつでも戻ってこいよな!」
「お前がいなくなったら寂しくなるな・・・」

はなむけの言葉をたくさん貰え、円満退社できました。

 

特に印象的だったのはお世話になった部長の挨拶でしたね。

 

部長の挨拶では「・・・グスンッ。お前みたいなやつが1人でも2人でも育つように、私達も頑張りましょう!」と、関連部署100人いるメンバーの前で泣いてました。

 

皆の前で涙を流してくれた事実に対し、

「8年間、本当にここで働けて良かったな…」と、心の底から感じ、私も涙しました。

 

酸いも甘いも知った大企業の工場で働いた8年間。

プライベートも含め、色んな挑戦や失敗ばかりの人生でした。

 

そんな想い出が詰まった8年間を振り返り、これから社会に出るであろう高卒就職される方の参考になればと、20000字を書きあげました!

 

長すぎるので、気になるポイントだけ抜粋でお読み頂いてOKです。

それでは、振り返っていきましょう!

 

 

高卒18歳の就職活動

競輪選手を目指していた高校時代

私は元々は競輪選手になりたくて、埼玉県の工業高校に通っていました。

高校では、自転車競技部に所属し、練習に明け暮れる日々が懐かしいです。

 

高校3年間は部活一筋だったので、関東大会では3位、全国大会には5度出場し、インターハイも入賞しました。

 

↓インターハイ表彰時の私をご査収ください(誰得?)

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就職を決意したのは、高校3年のインターハイが終わった夏休みが終わるタイミングです。

皆よりかなり遅めのスタートで相当焦ってました。

 

インターハイが終わったタイミングで気づいたのですが、その時に兄からこんなメールがきてたのです。

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このメールを読み、嬉しくて涙が止まりませんでした。

 

さらに父から「3年間、よくやった方だ。もう競輪選手目指さなくてもいいからな。」と言われ、肩の荷が降りた気持ちになりました。

 

「この3年間、競輪選手になりたかったんじゃなくて、自分は父や兄に認めて欲しくて頑張ってこれたんだ…」と気づいたのです。

 

自分の中で「今の実力だと競輪選手は難しい…」と現実を感じていたことも相交わり、就職することを決意します。

 

就職先の決め手は欲望のままに

就職先を決める際、自分は自転車競技部ということもあり、自転車の製造・販売を行う会社に入ろうと考えました。

 

しかし残念ながら、その年は求人がこなかったのです。

高卒就活では、民間企業からハローワーク経由で学校に直接求人が届く仕組みになっています。

 

求人がこないということは、募集をしていないので他を探すしかありませんでした。

 

次に考えたことは、、

「男だらけのムサ苦しい環境はもう嫌だー」という欲望です

 

工業高校は男:女が9:1です。

私の工業高校は幸い女子が多かったとはいえ、所属するクラスは全員男でした。

 

就職するなら女性が多い職場がいいと考え、大手化粧品会社の工場に決めました。

 

 

「流石に化粧品会社なら、女性も多いはず!求人票も従業員の女性比率が高いから安心だ、綺麗なお姉さんと働くぜ!」

と、純とした欲望のままに決めました。

完全に下心丸出しのアホでした。

 

好きな会社を選べるのは勉強と部活の成績次第

私は以外にも勉強することは苦ではなく、クラスで5本の指に入るくらいの成績で割と勉強ができました。

 

また、自転車競技部では部長を務め、インターハイに入賞もし、国体選手にも選抜されていたので部活成績が運良くよかったんです。

 

↓部長としての姿をご査収ください(誰得?)

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高卒就職については、「高校を卒業して18歳で就職する現実とは!?」に詳細内容を記載しています。

 

勉強と部活の成績さえよければ、高卒就職の新卒カードはかなり最強かと。

トランプゲームの大富豪でいうところの「2」です。

鬼滅の刃でいうところの上弦の参「猗窩座」です。

 

企業から学校内での推薦枠は1名がほとんどのため、入りたい企業が重なった場合には、成績が高い人に入社試験を受ける権利が与えられます。

 

結果、大卒で入社しようとすると数百倍もする大企業に数倍の倍率で入社が可能になる。

 

部活で成果を出すのは難しいですが、勉強は工業高校なら少し勉強すれば点数が取れるので、高卒就職する方は好きな会社に入るために勉強だけは本気でやりましょう。

 

好きな会社を決めた後は、就職試験を受けてほとんどの確率で内定します。

恐らく80〜90%の生徒は1発で合格してましたし、私も1発合格でした。

 

会社が決まった後は、工業高校なので「ボイラー技士」という資格取得をしたり、スーパーのレジ打ちバイトをして大学生と戯れるなどして、残された学生生活を有意義に過ごしました。

 

入社1年目の高卒19歳

大企業の化粧品工場へ入社して気づいたこと

2013年4月1日に大手化粧品会社の工場に入社し、新入社員研修を数日間受け、現場配属となりました。

 

入った当初の工場規模は、900人くらいの従業員がいました。

私の配属先は、50人くらいの部署です。

高卒の同期は少なくて、私含めて3人でしたね。

 

化粧品を製造・充填するのが主な業務内容です。

私の配属先は、主に化粧品の原液を作る職場でした。

正社員ではあるものの、職種は地域限定の工場職限定職。

 

研修では工場の組織やシステム、モノづくりをする上での法律関係について教わった気がします。

ひたすらメモだけは取っていたのですが、内容なんて理解してなかったですね。

 

分からないことをメモばかりしていると眠くなり、寝ないように、よく腕や頬をつねったり、空気イスをして気を紛らわしました。

 

何の勝負もしていないのに、1人で勝手に罰ゲーム的なことばかりやってました。

 

いま振り返ると、入社までに以下の内容を勉強しておけば、工場勤務の役に立つと思います。

 

<工場勤務するなら抑えておきたい勉強内容>

  1. QC検定(QC検定3級を取得しておきたい)⇒製造業における品質や生産性を向上させる「カイゼン」は実務で絶対必要で私も2級まで取得しました
  2. GMP規定 ⇒私の場合は化粧品の製造に関する品質・安全性に関するGMPを学びましたが、モノづくりをする上で最重要なルールのため学んで損はない
  3. ビジネス文書の書き方⇒分かりやすく相手に伝える文書コミュニケーションは、サラリーマンになってから役立ちます

 

 他にも工場ならではの「フォークリフト」や「危険物取扱者」などの資格は沢山あるのですが、入社してから簡単に取れるモノばかりなので後回しでよいです。

 

それよりも重要な、製造業のモノづくりがどのような規定を遵守して行われるかを理解しておくことをオススメします。

 

理由は、工場のモノづくりにおける最上位に位置する法律や考え方がGMPやISOであり、それを伝えるための手段としてビジネス文書を身につけておくことは、5年先も10年先も役に立つので。

 

かくいう私のキャリアは、上記のようなことをいざ知らずにスタート。

 

配属先が男ばかりで入社初日で辞めたい

入った初日で本当に情けないですが、見積もりが甘かったです。

「あれっ、職場に男しかいない!?」と気づきます。

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現実はそう甘くなかったのです。

私が配属された化粧品の原液を作る部署は、ほぼ男でした。

 

女性もいることはいるのですが、若い人で30代の庶務の方、あとは40〜50代の清掃会社の方が時々訪れてくる感じです。

 

作業着を着るため暑いですし、目元しか姿が分からないという三重苦です。

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「流石に工場の中に若くて綺麗なお姉さんがたくさんいるはず!」と、19歳の私は藁にもすがる思いで探しました。

 

お昼に食堂に行くと、そこで目にしたのは、おばあちゃんばかりの少子高齢化社会がそこにはありました。

 

結果、19歳の私には、おばあちゃんの友達がたくさんできました。

「わたしの孫を紹介してあげようかい??」という猛者も現れ、おばあちゃんネットワークの強さを知りました。

 

本当にいい勉強になりました。 

 

現実を受け止めて仕事に向き合う 高卒19歳

19歳の私の仕事内容は、化粧品を作るために200kgのドラム缶や20kgのセメント袋に入った原料を、運搬してプラントを用いて混合するのが仕事でした。

 

最初は右も左も分からなかったので、少しでも早く出社して床掃除や先輩の仕事の手伝い、雑談などをしてコミュニケーションを取りました。

 

徐々に仕事を覚えていくのですが、昔っから危なかっしい行動特性があり、入社して半年経過したくらいで、数十万円の損失を出すトラブルを起こしました。

 

先輩から「大企業だから弁償とかしなくて済んだんだからな〜、気をつけろよっ!」

いう言葉が頭に残ってます。

 

ちなみにその先輩は、私よりも大きな巨額の損失を出すトラブルを引き起こしていたので、ぐうの音も出ませんでした。これが社会というやつです。

 

あっという間の高卒19歳でした。

 

入社2年目の高卒20歳

全然給料が上がらない高卒の現実

2年目になると仕事を覚え始め、将来のことを考える余裕が生まれました。

 

「5年後、10年後、一体自分はどんな姿なのかな?」と考えている私の横で、同じ高卒で入社した7年目の先輩がいました。

 

私と全く同じ仕事内容をしている、先輩です。

「えっ、てことは俺は7年後も同じ仕事するのか?」という不安に駆られました。

 

一番ショックだったのは、お給料です。

当時の会社規定で2年目になっても、昇給した金額は「1000円」でした。

 

1000円ってことはですよ、、、

1ヶ月の労働時間:1日8時間×20日=160時間

時給換算の昇給額:160時間/1000円=6.25円が昇給した時給

 

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時給がうまい棒1本分すら上がっていないのです。

 

当時の私にとってショック過ぎて、入社3年目の先輩に鼻くそを飛ばしながら愚痴をこぼした気がします。

 

私「先輩、1年で1000円しか給料上がらないんですけど、やばくないすか? 10年経っても1万しか上がらないっすよ、この昇給ペースじゃ」

 

入社3年目の先輩「俺、3年目だけど2000円しか給料が上がらなかったよ。上がるだけマシだろ〜」

 

大卒の同期「先輩、自分は2年目ですけど5000円上がりましたよ〜」

 

私「ファッ!?(この先、高卒の俺やばくね??)」

 

という具合に、ショッキングだったことは鮮明に覚えています。

 

いま振り返ると、高卒は給料が上がりにくいのと、会社の業績がよくなかったのも原因でしたね。

 

上司に確認したところ、

「高卒でもウチは30代になれば、給料はそのうち上がって年収500万は絶対いくから心配するな!」と言われました。

 

どの大手企業の工場でも、大半は30代以降に大きく給料が伸びていくので、20代前半の給料は全然参考にならないです。 

 

大手企業の工場は年功序列の賃金制度が根強いので、年齢に応じて必要なタイミングでお給料が増えていくんです。

 

大企業の工場で勤めていて「給料が安すぎるから転職したい!」という方は、面談などの場で上司に相談し、将来的に貰える賃金を聞くと安心するのでオススメです。

  

リストラを目の当たりにし、危機感から様々なセミナーに通う

「給料が安いな〜」と愚痴をこぼしているのもつかの間。

なんと、私の職場にいる契約社員が全員リストラされることになります。

 

私の職場の先輩、5人くらいが路頭に迷うわけです。

中には家族もいて、子供が生まれたばかりの先輩もいました。

 

特にお世話になった40代の先輩からは、

 

「リストラされることも承知で契約社員だから仕方ないよね…。家族にどう説明しようかな…。若いお前が本当に羨ましいよ。」

 

そう言われました。

何と返していいのか分からず、嗚咽しながら

「お世話になったのに、何もできずにすみません…」

と泣きながらの返答。

 

この瞬間、私も正社員とはいえ、いつクビになるか分からない危機感を抱きました。

 

日々の仕事は単純労働が多く、工場をクビになった場合を想定すると転職できるスキルなんて皆無だったからです。

 

200kgの原料が入っているドラム缶を転がしたり、重いものを運ぶくらいしか誇れるスキルがありませんでした。

 

この危機感から様々なセミナーに出向き、勉強を開始。怪しそうなもの〜怪しいものまで。

  • 日本経済と金融セミナー
  • お金を稼ぐための仕組み
  • 株式投資で脱会社員しよう!
  • 20代で身につけておくべきスキルとは?

 

代表例を羅列しましたが、この他にも10個以上のセミナーを受講し、世の中には様々な大人が学んでいることを知ります。

 

「会社に雇われずに働かないと、この先ヤバイよね…」と危機感を話す30代のサラリーマンや、「株式投資でお金稼いだ方が絶対いいよ〜」と甘い話をかけるおじさんもいたり。

 

気づいたら私は、「意識高い系」と言われる人種に囲まれていて、自分もそうなってました。

 

絶対「○○セミナー」とつく類には手を出さない方がいいと思います。

理由は、開催者がセミナーを主催する目的は「商品をあなたに売りたい」からです。

 

開催者は商品を買って貰うための販促活動で、セミナーを開催している訳ですから。

 

無料セミナーが大半ですが、セミナー自体が高額な場合もあるので、騙されないように本当に気をつけてください。

 

中には「セミナーに行って人生変わった!」という人が稀にいるようですが、そんな簡単に人生が変わるなら、みんなセミナーに行ってますから。

 

ひとり暮らしを開始

何を血迷ったのか、20歳の成人式を終えた瞬間にひとり暮らしを開始。

 

実家を出たかったのも理由としてあったのですが、一番は「自分の力で生きていきたい」と自分をもっと追い込むためでした。

 

契約から内見まで全部自分ひとりでやりきり、家賃は4万のアパートに入居。

 

無計画にもほどがあったので、真冬に引っ越したのに寝具も何も用意せず、身一つで入居したんです。

 

楽天で注文したセミダブルの布団が明後日届くということもあり、ダンボールを巻いて寝て、屋内ホームレス状態で寒さを凌ぐという始末に。

何ならホームレスの方がマシです。

 

ひとり暮らしを通し、家事や生活費の工面、孤独な時間を通して学ぶことはたくさんありました。

 

家事については、実家で母に丸投げだったので、掃除・洗濯・食事を全部自分でやるわけです。

 

「実家にいた頃はクソ楽に生活できたなぁ」と思い返しながら、ポケットにティッシュが入っていたせいでゴミだらけの服を見て愕然としたり、ウールのセーターをそのまま洗濯して縮み過ぎて使用不可になったりと、勉強の日々でした。

 

生活費の工面では、高卒の当時の給料が手取りで16万ほど。

1ヶ月の生活費は以下の通り。

<生活費>

家賃 :4万

駐車場代:0.5万

車の維持費 :1.5万

光熱費:1万

食費や消耗品:4万

携帯・ネット:1万

おこづかい:4万

合計:16万

収入16万ー支出16万=残金0円

 

毎月、「宵越しの銭は持たないぜ〜」と全額使い切ってやりました。

ひとり暮らしを開始後数ヶ月で、このままじゃ貯金できないと気づきます。

 

友達の居酒屋を手伝い、夜間大学を受験

貯金できない本質は「収入が少ないからだ!」 と考えました。

会社の給料は1年頑張っても1000円しか昇給しなかったので、他で稼ぐしかないと思ったので。

 

お金を稼げるようになるため、2つの計画を立てました。

  • 副業で稼ぐ
  • 大学に行って学歴を手に入れ転職をする

副業で稼ぐため、友達が働いている居酒屋でお手伝いを開始。

※当時無知な私は、就業規則の存在を知らずにやっていました。会社の就業規則はよく確認してから副業はしましょう!(自分の会社は副業禁止ではないけど、本当は届け出が必要でした)

 

居酒屋で1年半くらいですかね、大学生とキャッキャしながら楽しく働きました。

月に6〜8万くらい稼いでいたので、生活はかなり楽でしたね。

 

工場での仕事が朝から夕方に終わるので、その後に居酒屋にいって深夜1時まで働き、

よく朝にまた工場へ出社してました。

 

土日含めて週5くらいでお手伝いしましたが、いま思うと若いからどうにか働けましたね。

 

1年くらいするとお金もそこそこ貯まりましたが、昼間に大学に通うには全くお金が足りません。

 

そこで、夜間で通える大学を見つけて受験することにしました。

国立の大学だったので、試験難易度も高く、小論文をめっちゃ勉強しましたね。

 

めっちゃ勉強したんですが、結果は「不合格」でした。

面接を大失敗したんです。

 

後日届いた試験結果の詳細には、

  • 小論文 75/100点
  • 面接  10/100点
  • 合計点 85点
  • 合格者の平均点 110点

面接であと30点くらい取れれば、合格だったので本当に悔しかった。。

 

面接の何を失敗したかというと、大学で勉強したい目的よりも、会社では何も学べないことを伝え続けていたのです。

 

そんなやつ、受かるわけないですよね。

これ、就職試験でも同じだと思うので参考にして貰いたいです。

 

現在の環境で何も学んだり得ようとしない人が、別の環境に行っても学んだり得ようとするのは難しいと他人からは評価ます。

 

大学受験の失敗を機に、居酒屋のお手伝いも辞め、再び目の前の仕事に集中して会社に認めて貰うことを決めました。

 

こうして、高卒20歳が終わります。

 

入社3年目の高卒21歳

やっぱり大学進学したくて新聞奨学生になるため退職を検討

夜勤もこなしながら、目の前の仕事に邁進する日々を送りました。

ですがやっぱり、「大学に行って勉強したい」という思いが抑えきれません。

 

本当ブレブレな自分で恥ずかしいのですが、高卒で若い時って、本当に色んなことに挑戦したくなるんですよ。

高卒3年以内の離職率が40%もあるのに納得がいきます。

 

大学に行きたい理由は、一番は学歴コンプレックスを解消したい、もっと世の中に必要なことを勉強したい、そんな意欲だけはなぜかありました。

 

そんな時、「新聞奨学生制度」というのをネットで見つけます。

 

「新聞奨学生制度」とは、お金がない学生が新聞会社で働きながら学費を工面して大学に通うという制度です。

 

「これなら、お金がなくても私も大学にいける!」と思い、職場の上司に退職の相談します。

 

キャリアカウンセリングによって退職を踏みとどまる

上司に退職相談をして、来月いっぱいで会社を去ることを伝えた後、工場長が「話をさせてくれないか」と引き止めにきました。

 

当時の私は、大学に行きたかったので、聞く耳を持たずに面談をするつもりでしたね。

 

その面談には、他にも工場内の人事課長や部長がいて、自分が入社当時からお世話になった方々が勢揃い。

 

まさに採用面接と同じメンツではないか。

退職面接でもやろうというのか?

 

ここで3年前の記憶が蘇ったんです。

 

当時の私は、大企業の工場から内定通知を貰って喜んでいたこと。

この会社で働ける誇りを最初は持っていたこと。

 

工場長が私に、

「どうして、きみは会社を辞めるの?」と聞いてくれました。

 

私「大学に行って勉強をしたいんです」

 

工場長「どんな勉強をしたいの?」

 

私「経済や経営などといった、もっと世の中に役立つことを知りたいんです」

 

工場長「この会社で働いた方がきみの学びたいことは学べるよ」

 

その後も、

「会社を辞めたいことに気づけず申し訳ない」

「きみを採用した理由は勉強熱心で誰よりも会社へのアツい想いを感じたから」

と、僕の目を見てアツく語ってくれたんです。

 

私がこの会社で働く意義を改めて気づかせてくれ、与えてくれ、必要としてくれた瞬間でした。

 

このタイミングでもう一つ大事なことに気づかされます。

大学で勉強したいと言っておきながら、ただ現状から逃げている自分に。

 

いまの私にとって、大学よりも人生の学びとなる「実学」ができるのは、会社だという結論を出したんです。

私を必要としている会社にもっともっと貢献したい気持ちになりましたね。

 

以下のように、実際の業務を通して会社からは学べることがたくさんあるんです。

「お金のことだったら、経理の仕事から学べる」

「教育・採用に関することなら人事の仕事から学べる」

「経営のことなら経営者である工場長の仕事から学べる」

僕がはじめてキャリアカウンセリングを体験し、衝撃を受けたときの話 - キャリログ

 

世の中に役立つことが学べるのは会社だと、自分の中で答えを見出したんです。

 

大学に行く目的が「勉強したい」という固執した、漠然としたキャリアビジョンの私に、別の道もあることを気づかしてくれた瞬間でした。

 

私は「大学で勉強したい」という口実で「大学に進学すれば世の中の見る目が変わる」と思い込んでいた。

 

だけどそんな他力本願では、大学に行ったとしてもまた不満が生まれることに気づきました。 

 

自分の人生を彩るのは社会評価や友達の見る目だと思っていた。

いい大学やいい会社が自分のキャリアを育ててくれると思っていた。

 

けど、それは間違っているんじゃないかと。

 

「自分のキャリアはいまの自分から作られていくモノであり、これからがこれまでを決めるモノ。

どんな境遇や環境でも、その場所からいますぐに自分で変幻自在に作られていくモノなんだ。」

 

会社を本気で辞めようと思ってはじめて気づかされた、高卒21歳でした。

 

働きぶりが認められ、高卒では数十年ぶりの部門異動を実現

結局、工場長との面談後、退職願をとりさげて懸命に働きます。

会社から学べることを学び倒してやろうと。

 

工場の現場作業員という場所から、自身のキャリアを受け入れて再スタート。

 

工場現場で皆が「やってられねー」と思うような仕事も「俺にしかできない仕事にしてやる!」という意気込みで、石の上にも三年と思い奮闘。

 

半年で100件近くの職場改善を提案したり、皆がやりたくない辛い仕事ばかりを「やらせてください!」と手をあげました。

 

色んな部署の先輩に業務について話を聞いたり、改善できる課題がないか毎日考えて働きました。

 

その姿勢が評価され、頑張りが認められ、別の部署に異動することができることに。

 

ここから、全く別世界へ私のキャリアが切り開かれていった気がします。

工場現場での現場作業とは正反対の、技術開発を行う部署へ異動することになります。

 

入社4年目の高卒22歳

技術職という未知な世界へ

私が次に異動できた職場は、化粧品の新製品を発売スケジュールまでに工場で生産を立ち上げたり、日々の生産トラブル解決や技術開発する部署でした。

 

現場で化粧品の原液を作る仕事をしていたので、化粧品の製造方法を開発したりする、いままでの業務より川上の技術職の仕事です。

 

主に化粧品の開発業務では、「有機化学・無機化学・界面化学・流体工学」などが役立つ学問とされています。

 

高卒は私くらいで、他のメンバーは院卒で学歴が高い精鋭達の部署でした。

  

私は化学なんて高校でほとんど真面目に学んでおらず、何なら機械科を専攻していたのでゼロからの勉強でした。

 

「H2Oが水」だったり、「CO2が二酸化炭素」くらいの知識はありました。

ですが「C8H7O3.Naはメチルパラベン(化粧品の防腐剤)」とか、難易度が上がると本当に意味不明で頭がプスプスと煙を出しましたね。

 

化粧品の原料1つとっても分からないことだらけで、「分かるところまで遡り調べて学習する」ということを身体で覚える日々でした。

 

基礎的なビジネススキルを磨く日々

化粧品の開発に必要な勉強だけでなく、当然、デスクワーク中心の仕事になったのでビジネススキルも鍛えあげられました。

 

当時学んだことは本ブログでアーカイブしていますが、一番学んだことは考えすぎて仕事が遅い人は、パレートの法則を知れば、鬼速で仕事が終わるということです。

 

記事から抜粋します。

どんなに自分が10割の成果を目指して労力を費やしても、8割の成果に繋がるのは、実際は2割の労力によって成り立つのだ。

 

仕事に着手する前には必ず、「8割の成果を出すために、最もやるべき2割の行動や考えるべきことは何か?」を自身に問うようになった。

考えすぎて仕事が遅い人は、パレートの法則を知れば、鬼速で仕事が終わる - キャリログ

 

仕事でやりたいことは山のようにあり、本当にやるべき仕事を見極めることが大切だと、日々の業務で叩きこまれます。

 

本当にやるべき仕事の見極め方

本当にやるべき仕事を見極めるために教わったことは、

  • 仕事の目的を明確に
  • 仕事を終えたゴールを必ず共有する
  • 仕事に自分の意見や仮説を持つ

 でした。

 

経験上、目的が不明確で終えたゴールが共有できない仕事は上手くいきませんし、ダラダラと終わらないケースがほとんどでした。

 

仕事の目的がないと、まず誰も協力してくれません。

ゴールも見えないと、期限が設けられないため、誰もやろうとしないのです。

 

中でも、「仕事に自分の意見や仮説を持つ」ことは、とても重要でした。

 

仕事の目的とゴールが明確であっても、自分の意見や仮説がなければ、自分事として捉えられずによい結果は残せませんでした。

 

ビジネスの世界では、よく、「仕事のボールを持つ」という表現をします。

 

仕事というボールを自分事に捉えることができないと、途中で落としてしまったり、上手くゴールまで運ぶことができないんと思うんですよね。

 

そんなことを学んだ高卒22歳でした。

 

入社5年目の高卒23歳

先輩のプロジェクトメンバーとしてたくさんの経験を積む

異動して2年目となり、定形業務を覚えて余裕が生まれ、先輩の技術開発プロジェクトに複数参画します。

 

常に答えがない仕事、答えを作る側の仕事でした。

何が正解かわからないので、とりあえず確度の高い仮説を検証するために、何回も実験や打ち合わせを繰り返し、PDCAサイクルを積み上げていく日々でした。

 

プロジェクト業務を通して必要なPDCAサイクルを知れば、効率的に仕事ができることが自然と身についた感じでしょうか。

 

時間が掛かるけど、成果を出すためにコツコツと積み上げていき、他部署の仲間を巻き込みながら業務を推進する力がつきましたね。

 

先輩に教わったことで印象なのが、事実(ファクト)で物事を考えることということでした。

 

正しい事実を元に考えたことは、論理構築が多少粗くても客観的に納得させることができる

①事実(ファクト)は論破できない

②事実(ファクト)は客観性を担保できる

③事実(ファクト)は感情を切り離す

考える力がない人はファクトで物事を考えることを知らない - キャリログ

 

 

「仕事では事実に基づいた業務計画が常に重要とされ仕事の目的やゴール設定に大きな影響を与えるから」と、プロジェクトを協働した先輩に叩き込まれました。

 

キャリアコンサルタントの資格取得に励む

仕事の傍ら、自身が高卒就職したキャリアを社会に役立てたいと考え、キャリアコンサルタントの資格取得に励みます。

 

「キャリアコンサルタント」とは、キャリアコンサルティングを行う専門家です。

 

キャリアコンサルティングとは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。

 

キャリアコンサルティングを通じて、自分の適性や能力、関心などに気づき、自己理解を深めるとともに、社会や企業内にある仕事について理解することにより、

 

その中から自身に合った仕事を主体的に選択できるようになることが期待できます。

国家資格 キャリアコンサルタント試験 公式ウェブサイト | 国家資格 キャリアコンサルタント試験

 

私がキャリアコンサルタントを取得した理由は、「私と同じように高卒で人生に悩む人がいたら助けたい」と思ったからです。

 

それは、私自身が「高卒」という境遇から社会に出て、自分の人生に迷い混乱してしまった経験が原体験ですね。

 

私は高校を卒業後に、化粧品会社の工場に勤め、仕事内容は化粧品の現原液を毎日のように大量に作るという仕事でした。

 

端的に言うと、20kgのセメント袋を持ち上げて投げてを繰り返すような労働で、

工場なので夜勤もあって心身ともにキツイ体験もしました。

 

同世代の友達は大学生活をエンジョイしているみたいで、SNSや地元で会った時にその話を聞く度、自分の人生と比較して卑屈な気持ちになってました。

 

当時の私は、自分が何をやりたいのかよく分からない状態でしたが、

 

「高卒なんて格好悪い!」

「学歴がないなんて、俺はこの先もう終わりだ…」

「なんで俺だけこんな辛い目に合わなくちゃいけないんだ…」

 

といった風に、自分や社会に言い訳をし、卑屈になった瞬間もありました。

 

前述した工場長のキャリアカウンセリングを通し、自分の人生を彩るのは社会評価や友達の見る目じゃないと気づいたんです。

 

「自分のキャリアはいまの自分から作られていくモノ。これからが、これまでを決める」ということに。

 

このことに気づけなかったら、一生言い訳をして過ごしていました。

 

私は幸運にも気付くことができましたが、高卒で仕事を転々とする友達を見ていて熱い気持ちが沸き起こったんです。

 

「その選択はあなたの本心なの?」

「もっと自問自答してみたら。」

「あなたの人生はどうなりたいの?」

と、私が当時迷っていた気持ちと同じように、悩む人がいるなら助けたいと思ったんです。

 

こうして、キャリアコンサルタントの資格取得を実現しました。 

 

入社6年目の高卒24歳 

キャリアコンサルタントとして母校へ出張授業

キャリアコンサルタントの資格取得後は、母校の工業高校へ出向き、「化粧品づくりワークショップ」を開催しました。

 

高校の先生と打ち合わせをし、学習指導要領と授業内容をすり合わせ、化学の授業で化粧品を作るワークショップを企画しました。

 

就職する高校性が多いので、高卒で働くことに対するキャリアワークショップも行いました。

 

進路や高卒で就職することに不安や聞きたいニーズもあったので、逆OB訪問という形式で様々な話をしたんです。

 

結果、この授業がきっかけで、私の工場へ入社してくれる生徒がいました。

 

自身がやりたかった「私と同じように高卒で人生に悩む人がいたら助けたい」という

想いからの企画ですが、自分の小さな成功体験として鮮明に覚えています。

 

大トラブル連発の日々で失敗を乗り越えて成長

その一方、工場の仕事 は大トラブル連発で大変でした。

私が担当する複数の仕事で、トラブルが発生して毎日夜遅くまで原因究明に追われる日々でした。

 

自社の工場だけでなく、自社商品を製造する委託先さまで私が原因でトラブルを起こしてしまい、毎週のように県外に出張しては謝り、トラブル対応をしていました。

 

人に迷惑を掛けたり失敗をすると、本当に凹みます。

大きな失敗であればあるほど、その凹み具合は半端じゃないです。

 

中でも私の一番の大きな失敗は、私が製造方法を設計した化粧品で品質規格を満たすことができず、危うく数千万円ほどの商品を廃棄しかけました。

 

委託先さまには「どうすんの、この失敗? オタクの責任だよ、弁償してね。」と言われ、自社に戻ると「弁償なんていわず、どうにか解決してこい!」と板挟み状態で、大変な目にあいました。

 

 

先輩に相談しても解決方法が分からず、自力で全て解決するしかありませんでした。

 

色んな人に相談し、様々な仮説検証を繰り返して原因を究明して地道に解決に向かいました。

 

そんな大トラブルを解決し、家が買えちゃうほどの金額損失を出さずに済みました。

委託先からの帰りの新幹線で、ポロリと涙がこぼれました。

 

 「どうにか、大きな失敗を乗り越えれてよかった…」と、心の中で安堵したのを覚えています。

 

失敗を自力でどうにか乗り越えたことを上司にも評価され、この年の業務評価もよかったので自信もつきました。

 

乗り越えた失敗の大きさだけ、自信もつくんだと知りました。

「己が下手さを知りて一歩目」であり、本当の成長はそこから始まる のでしょう。

 

高卒24歳、大失敗を乗り越え、成長した1年となりました。

 

入社7年目の高卒25歳

後輩指導を通して自身が学ぶ 

異動してから4年目となり、たくさんの後輩が同時に入社してきました。

自分と同い年で院卒上がりの社員も多く、後輩指導を通して色んなことを学びます。

 

人に教えることで、自分も学ぶんですよね。

相手の理解度を確認しながら、どんな言葉でどんな伝え方が適切かを意識しました。

 

「全く何も分からない人に伝える」というのは、仕事において大きな学びになります。

 

いつもだったら省略してしまうような前提を改めて話したり、当たり前になっていて目的が不明瞭な業務の存在に気づいたりします。

 

「自分が分かった気になっていたけど、本当はよく分かっていなかったこと」にたくさん気づくわけで。

 

そうなると、一緒になって色んな部署に話を聞きに出向き、情報を集めて学び直しを行ったりしました。

 

高卒でもたった1つの能力を身につければ大卒の仕事に就けるし、キャリアは無限大ということにも書きましたが、「人に教える」というのは最強の学習法です。

 

”分からないことを理解する”を検証するために、

”理解したことが人に説明できるか”を確かめた。

学んだこと、理解したことを人に説明するのだ。

説明してみると、相手に理解されない部分は、自分が上手く理解できていない。

逆に人に理解してもらえたら、しっかり自分の中にインプットされている証拠だ。

理解できたことになる。

これは”ラー二ングピラミッド”と呼ばれる、効率的な学びの方法を研究した成果からも証明されている。

ラーニングピラミッドって?~記憶の定着率~ - 【類子屋・類塾】箕面 ...

近年はアクティブラーニングという教育方法で提唱されている根本の考えは、このラーニングピラミッドに基づいている。

人間が物事を学ぶ際の学習率を、方法ごとに分類した研究成果だ。

この成果によると、「人に教える・説明する」という学びの方法が、最も高い学習定着率を誇ることが証明されたのだ。

つまり、仕事で高卒が大卒と肩を並べるために身につける能力とは、

”人に教えたり・説明する(アウトプット)を前提とした理解をする(インプット)能力”ということだ。

高卒でもたった1つの能力を身につければ大卒の仕事に就けるし、キャリアは無限大ということ - キャリログ

 

高卒が東大の先輩から教わったこと

私の部署に、東大の先輩が異動してきました。

元々その方は、研究開発を20年ほどやっており、工場での業務レベルをより一層進化させるために異動してきました。

 

様々なことを教わったのですが、特に印象的に残っているのは、仕事はプライドを捨てるのでは無く、受け入れるということでした。

 

4年も同じ部署の仕事をしているのに、圧倒的な力の差を東大の先輩から感じた時、こんな話をしました。

 

私「先輩何でも知ってて本当スゴイっす。。自分は本当にこの仕事の才能がないですね…(笑)」

 

先輩「『才能がない』からこそ仕事を頑張ろうと思うし、『才能がない』からこそ毎日色んなことに挑戦して学びを得たいと思うんじゃないかな?」

 

「才能がないからダメ」ではなくて、「才能がないからこそ」できるようになりたい、そんな前向きな仕事の考え方を教わりました。

 

”できないことができたら楽しいじゃん”とも、教わりましたね。

仕事において、プライドを受け入れ、才能にとらわれずに励むとある変化が起きる。

それは”仕事が楽しい”と思えるのだ。

人は基本的に”できないことができたら楽しい”という感情を持つ。

その感情は成長実感と呼ばれたり、自己肯定感が高まると呼ばれる。

これは人間が「生成発展」という理論に基づき、成長する生き物だからである。

この世に生を受けたものは、動物でも植物でも、そのままではいられない。

すべて成長し、より良くなろうとしているのだ

仕事はプライドを捨てるのでは無く、受け入れるということ - キャリログ

 

そんな先輩の元、楽しく仕事をさせて貰った1年でした。

 

高卒が大卒と同じ総合職に成り上がる

高卒で7年目、時間は掛かったけど、大卒と同じ「技術系の総合職」として登用試験を受けて合格します。

 

ひたむきに業務に取り組み、業務の成果を出せるようになり、評価されて上司が推薦してくれました。

 

いま目の前にある仕事を本気でやり続けたら、キャリアが面白いほどに切り開かれたんですよね。

私はこれを「ニュートラルキャリア」と呼んでます。

 

過去に固執せず、未来にもとらわれずに、いまある目の前の仕事とニュートラルに向き合うことで、形成されていくキャリアなんじゃないかと。

 

そんなこんなで、7年かけて大卒と同じ職種と処遇に成り上がった高卒25歳でした。

 

入社8年目の高卒26歳

複数のプロジェクトリーダーを完遂

8年目となり、職場では気づけば中堅扱いとなりました。

プロジェクトを自分で牽引し、会社に利益を与えられるように貢献した年です。

 

工場の年度計画に基づき、自身で課題や問題を抽出し、1500万の経営効果を与えられるプロジェクトをリーダーとしてやり抜きました。

 

2020年だけで、これらを1年間でやり遂げました。

  • 化粧品の充填機の洗浄方法開発によるコストダウン(年間300万の効果)
  • 化粧品の製造工程の業務改善による生産性15%アップ(年間1000万の効果)
  • 化粧品の製造工程の新技術導入による生産性30%アップ(年間200万の効果)

 

自身でプロジェクトを通し、一定の成果を上げる自身がついた1年でしたね。 

プロジェクトリーダーとして意識したことは、以下の通りです。 

  1. 年間計画をメンバーおよび上位者とガントチャートなどで書き起こして計画を共有
  2. やるべき業務とスケジュールを⾒える化し「納期通りにやりきる」
  3. 「納期通りにやりきる」ために、突発的なトラブルや不確実な事象で⽬標達成遅延が遅れないように予めスケジュールに20〜30%の余裕を設ける
  4. ⽬標設定時には、成果を具体化して定量評価できるように指標を設定して改善に取り組む
  5. 定期的な報連相と成果の⾒直しを行い、最低でも週に1 回は進捗管理
  6. 成果⾃体の⽅向性が誤っていないか、過不⾜がないか、定期的にメンバーと話しあってゴールに向かう
  7. 気持ちよく仕事を受けてもらう

 

どれも当たり前のことに聞こえますが、意外と難しいです。

特に「7.気持ちよく仕事を受けてもらう」が激ムズ。

 

人に気持ちよく仕事を引き受けてもらう3つのお願いの基本を駆使しました。

1つ目の基本、仕事を頼む際は、必ず相手が知っているあるいは精通している分野なのかを事前に確認することだ。

2つ目は、仕事をお願いする時に重要な 「なぜ自分か?」という意義をしっかり相手に伝えることだ。

3つ目は、仕事をお願いする時に素直に助けを求めるということだ。

人に気持ちよく仕事を引き受けてもらう3つのお願いの基本とは? - キャリログ

 

こうして、どうにか複数のプロジェクトリーダーをやり遂げました。

分からないことばかりで、メンバーや先輩を巻き込みながら完遂した成功体験により、さらに仕事への自信がつきました。  

 

指摘が細かな上司の存在 

当時の私の上司は物凄く頭がよく、資料などを全てに目を通して一言一句に間違いがないかを確認してくれる方でした。

 

とっても繊細で指摘が細かい、丁寧に仕事を行うタイプです。

 

<ある日の会話>

上司「あのトラブルの件、どうなっている?」

私「あぁ、問題ないです!担当者間で解決しました!」

上司「具体的に何が課題でどう解決したの?」

私「課題は○○で、✗✗して解決しました!」

上司「なぜ課題は○○だと思ったの?△△は違うの?」

私「あぁ、△△について確認したのですが、違いました!」

上司「なぜ、△△は課題じゃないの?もっと論理的に」

私「△△は、□□のため課題じゃないです!」

上司「本当に?なぜ?根拠を示して貰える?定量的に。」

私「あっ、えっと・・・(詰んどるやないかーい)

 

そんな日々を過ごしていく内に、物事を筋道立て、相手を説得できる思考力が養われましたね。

 

以前、「品質管理」を知れば、論理的思考力が身につき、因果関係を紐解くことが好きになるという記事を書きました。

 

私が経験した品質管理の業務では、 因果関係を紐解く必要があり、そのため思考力が身についた気がします。

①事象と事象(あるいは現象と現象)を紐付けて、その間に介在している原因を見つけ出し、因果関係をはっきりしなければならないから、品質管理の仕事で論理的思考力が身につく 

 

②論理的思考力が身についたことにより、3つのよかったこと

  1. 主張を人に理解・納得して貰えることが増えた
  2. 因果関係を紐解くことが好きになった(考えることが好きになった)
  3. 想像力が豊かになった 

「品質管理」を知れば、論理的思考力が身につき、因果関係を紐解くことが好きになる - キャリログ

 

品質管理の仕事に限らず、どんな仕事でも活用できる頭の使い方の技術なので、覚えておいて損はないかと。

 

一点注意が必要なのは、仕事外で友達や彼女、プライベートで論理的思考を振りかざすと死ぬほど嫌われるので気をつけてください。

 

例えば、あなたがお昼ごはんにカレーを食べたとします。

私があなたに、

「なぜあなたはカレーを食べるのですか?」

「カロリー高いですよね?」

「バランスよく野菜も取らなくていいのでしょうか?」

と聞いたらどうでしょう。

 

「別に理由なんてないし、余計なお世話だ!」と思うかもしれません。

人間は感情の生き物であり、論理性が全て正しい訳ではないので注意しましょう。

 

大企業の工場で働き抜いた8年間の先に待っていたモノ

大企業の工場で働いた8年間は、紆余曲折しながらも一歩ずつ前進しました。

 

目の前にある仕事を本気でやれない人は、やりたい仕事がきても本気になれないと、心の底から信じて働きながら。

 

イチローさんの好きな言葉で、こんな言葉があります。

「成長とはまっすぐに目的に到達することではない」

 

  • 成長は、努力しても直線的に比例関係にない
  • 遠回りに見えるようで、停滞や後退することは、成長には必要な回り道
  • 自分で自分を教育し、変化し続けることが重要

イチローから新入社員へ、”成長とはまっすぐに目的に到達することではない” - キャリログ

 

8年間、思い描いたような成長はできなかったけども、向かいたい方向、向かうべき場所へは少しずつ近づけた。

 

大企業の工場で高卒が成り上がるために8年、懸命にあがいて、悔しさ、恥ずかしさ、失敗や成功をバネにしていまに至ります。

 

会社からはよい評価を頂き、現場から技術系の総合職にも昇格でき、「将来は安泰だよ」と先輩・上司からは褒めて貰い、親や家族も喜んでました。

 

そんな自信と共に、これからの将来について考える余裕が生まれました。

 

手元の頂いた仕事をやりきり、この先の人生で、本当に挑戦したいことを改めて考えました。

 

「自分はこの先、大企業で安定した仕事で満足か?」

 

気づいたら手元には、2年前に高校へ出張したワークショップの感想文がありました。

 

 「(私の)ワークショップを受けてみて、将来、仕事の相談をしたいです!」と高校生からの感想がそこにはありました。

 

これを見て、「私と同じように高卒で人生に悩む人がいたら助けたい」という想いが続いていること、キャリアコンサルタントの仕事を時間が掛かってもいいから仕事にしたい、形にしたいという想いがありました。

 

働き抜いた8年間の先に待っていたモノは、心から自分が挑戦したい仕事がくっきりありました。

 

高卒26歳にして、ここから新たなスタートを決意。

 

高卒26歳から転職活動

工場勤務をやりきった想いとキャリアコンサルタントへの挑戦

1ヶ月ほど悩み、今までの想いとこれから挑戦したいことを、上司に相談しました。

 

正直めっちゃ不安でした。

「大企業やめるなんてもったいない!」親はもちろん、実家の犬にも言われたましたから。

 

私は高卒で入社したので、年齢的には26歳。

高卒で工場現場に配属され、3年間は現場作業に従事し、その後の5年間は生産技術開発なる部署に異動していまに至ります。

 

18歳から働いている訳なので、かなり思い入れがある会社ですからね。

大企業ということもあり、高卒の私でもかなり良い処遇です。

 

いまの年収は480万、40歳頃には年収が1000万近く貰えてかつ、有給休暇なしでも年間130日も休日があるのですから、流石の大企業です。

 

年収や処遇には不満はなく、 仕事内容にも人間関係にも不満は全くない。

 

仕事の生産技術開発では、主に化粧品の新製品を工場で立ち上げる仕事をしているのですが、やりがいもあり、多くの人に喜んで貰える商品を作る素晴らしい仕事です。

 

上司や色んな人から引き止められ、

「転職しなくてもキャリアコンサルタントの仕事をウチ会社でやるのはどうか?」

と、有り難いオファーもありました。

 

それでも、転職を決意しました。

 

未経験の人材業界でキャリアコンサルタントの道へ

「じゃあ、なぜ辞めるんだよ」という話ですが、自分の中で「大企業で安泰の人生でやりがいのある仕事だけど、それ以上にやりたい仕事がある」という、挑戦的な転職ですね。

 

高卒で就職して、自身のキャリアに何度も何度も悩まされながら、それでも目の前のことに集中して仕事を全うしてきた 。

 

ある時、自分のように高卒で就職して働くことに悩む人や、自分の将来に不安を抱える人を支援したいと思い、キャリアコンサルタントの資格を取りました。

 

自身の悩んだことをブログに書いて情報発信したり、高校生へキャリアワークショップを開催してみたり。

 

「いつか」、私と同じように高卒で人生に悩む人を助けるキャリアコンサルタントを実現するために。

 

「いつか」と考え始めてから早くも3年が過ぎようとしました。

「いつか」はいつくるのか、とても悩んだのですが、あることに気づきます。

 

「いつか」なんてこないということ、私の人生は「いま」の連続だということ。

 

やってみたい、こうなりたい、その瞬間に刻々と時間は過ぎていく。

いまの自分の方向性は果たしてどこに向いているのかを考えました。

 

自分の目指す姿に対し、具体的な姿は描けてなくても、少なくとも向かっている道先が合っていることは大切なんじゃないかと。

 

人生は真っ直ぐ目的地に向かっていなくとも、紆余曲折しながら到着できる方向を自分が向いているかは大事なんじゃないかと。

 

だから、自分が「キャリア支援を仕事にしたい」と本気で思ったから、せめてその方向を向いて歩みだしました。

 

その結果、未経験の人材業界で人材紹介会社へご縁を頂き、挑戦することになりました。

 

この先、この決断が正解なのか不正解なのか決めるのは自分ですが、正解も不正解も行動しなければ分からない。

 

だからこその転職です。

そうして、私は8年勤めた大企業を退職することにしました。

後悔がないほどに心を燃やした8年間でしたね。

 

【まとめ】高卒で働いた8年間の軌跡

高卒で8年間働いた年収推移

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大企業の工場で高卒が成り上がるために働いた8年間で、

「年収250万⇒580万までアップ」しました。

 

2019年は、会社業績と私の個人評価が最高だったこともあり、年間でボーナスが9ヶ月分も支給されたことにより、年収が高くなっています。

 

日本のサラリーマン平均が400万ということを考えると、高卒にしてはかなりお給料を貰えている結果となりました。

 

高卒で8年間働いて取得したスキル

<資格系>

・キャリアコンサルタント

・危険物取扱者 乙種 第四類(通称:乙四)

・品質管理検定 三級、二級(通称:QC検定)

・日本化粧品検定 二級

・インターネット・アカデミー Webデザイナーコース修了

 

<ビジネススキル>

・論理的思考力

・資料作成能力(経営層への提案/報告実績もあり)

・問題/課題設定、解決力

・プロジェクトマネジメント

・プレゼンテーション

・ブラインドタッチ(PCタイピング早くなった)

・Office系ソフト

 

<業務経験>

・化粧品工場の現場作業員として重量物の運搬やプラント操作

(200kgのドラム缶を転がしたり、20kgのセメント袋を無限に運びました)

・化粧品/医薬部外品の技術開発(主に生産技術)

・化粧品製造の生産工程設計/開発

・原材料の価格交渉

・化粧品メーカーへの委託先製造(OEM)

・化粧品工場におけるプロジェクトマネジメントを複数経験

 

今後の抱負

キャリアで悩む人が世の中にはたくさんいます。

私が悩んだように、人それぞれ様々な悩みを抱えているし、日々その悩みと対峙しているんです。

 

やりたいことを仕事にすべきか悩み、結婚で仕事を辞めるべきか悩み、転職で年収をあげたいと悩む。

 

だけど、本当に重要なの悩みを解決するための行動よりも、その悩みの根底にある想いかもしれません。

 

「なんでやりたいことを仕事にしたいのか?やりたいことは趣味じゃダメなのか?」

 

「結婚で仕事を辞めるべきかなぜ悩んでいるのか?結婚しながら仕事を続けたいのか?」

 

「転職で年収をあげたいのはなぜか?いまいる会社では不可能なのか?」

 

と、自問自答することが大事なんです。

だけど、そうはいっても自問自答して悩みが簡単に解決することは難しい。

 

解決できないから、悩むのです。

その悩みの解決をお手伝いするのが、キャリアコンサルタント。

 

キャリアの悩みに処方箋を出したり、一緒に治療していく、キャリアの医者を私は目指します。

 

悩みをキャリアコンサルタントに話すことで、”経験代謝”という現象が起き、自分の中に答えが導きだせることを僕は知った。

 

”経験代謝”とは、相談者が自分のありたい姿を見出すのを支援する働きかけ。

 

キャリアコンサルタントが相談者が何に悩んでいるのか、過去の経験を振り返り、その経験に対してどんな意味があり、何を感じたのかを一緒に考えていく対話法のことです。

 

”経験代謝”を行うことで、相談者が自身の「経験」を通じて自分自身について洞察していくなかで、自分のありたい姿やキャリアの悩みを徐々に浮かびあがらせていく。

 

こうして僕は、当時キャリアで迷っていた自分と同じように悩む人がいるならば、キャリアコンサルタントになり、助けたい気持ちが芽生えた。

 

「キャリアで悩む人を助けたい」と思い、キャリアコンサルタントになった。

特に、「高卒で人生に悩む人を助けるキャリアコンサルタント」に。

 

私と同じように高卒で社会に放り出され、キャリアで悩む若者を助ける一つの手段として役立ちたいと願い。

 

キャリアカウンセリングとは、よく同じモノを同じ目線で見て感じる行為と呼ばれます。

例えるならば、一緒のベンチに座って同じ方向を見て対話をするイメージ。

  

だから、このブログメディアもキャリアで悩む人を応援する、一種のキャリアカウンセリングのような場所にします。

 

僕が書く文章で、読者のあなたに少しでも気づきやキッカケを与え、人生がよりよい方向に進むことを願って。

 

一緒に一歩ずつ前進していけるような、そんな場所にします。

私と同じように、自分の目標や夢に向かう人に幸あれ。   

 

今日はこんなところで。 

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

 

今後も、みなさまのお役に立てる情報を発信していきますので、何卒よろしくお願いします。

   

 

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−書き手−

キャリアコンサルタントのはるきち(@harukichi_macho)