「金は命より重いんだ!」
こんな名言を聞いたことがある。
元をたどってみると、どうやら「カイジ」という漫画の名ゼリフのようだ。
状況にもよるが、お金で救える命が多いのは事実。
だが、お金じゃ救えない命もあるので、一概には言えないだろう。
確実に言えることは、お金で救える命があるならば、お金はある程度は保有しておいた方がよい。
そのためには、働いてお金を稼ぐ必要がある。
自堕落な生活を送り、お金の大切さを知った「カイジ」から、働き方について学んでみよう。
「カイジ」とは何か?
「カイジ」ついて改めて説明する。
自堕落な日々を過ごす主人公、伊藤開司(いとうかいじ)。
そのカイジが多額の借金を抱えたことをきっかけに
「帝愛グループ」をはじめとする黒幕との戦いに挑んでいく大人気漫画。
命がけのギャンブルを通じて、勝負師としての才能を発揮するカイジだが、その運命は果たして……。
「カイジ」を題材にしたビジネス書、「勝つべくして勝つ!」働き方の話を紹介する。
ジャーナリストである、「木暮太一」さんが著した作品だ。
「カイジ」から学べることは、人間のどん底から見える「働く」ことの本質だった。
いつかできることはすべて、今日もできる
最初のページにこのような文章がある。
37歳で官職を辞し、
執筆活動に専念したと言われる
ルネサンス期最大の哲学者、
ミシェル・ド・モンテーニュは、
死の直前まで筆を加えつづけた作品
「エセー(随想録)」でこう語っている。
『いつかできることはすべて、今日もできる』
カイジ「勝つべくして勝つ!」働き方の話より
この本で学べることは「働き方」だけでなく、「生き方」そのものだろう。
本書の中で、こんなことが綴られている。
『現代には、夢をみることもせず、行動することも、チャレンジすることもなく、夢の中で生活しているように「なんとなく」過ごしてしまっている人が多すぎると感じています。
そして、彼らは、誰かに騙されるわけでもなく、傷つけられたわけでもないのに”不幸”だと嘆きます。』
カイジ「勝つべくして勝つ!」働き方の話より
カイジの目線から描く価値観は、世の中で生き抜く術を説いている。
それでは、カイジの世界へどうぞ。
ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・
ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・
今日をがんばったの者にのみ、明日がくる
「今日は忙しいから明日からがんばろう」
誰しもそんな風に怠けてしまう時がある。
だが、カイジの世界では「明日にしよう」という者に明日はこない。
地下の強制労働施設でカイジが戦った、班長の大槻がこんな名言を残している。
『明日からがんばろう』という発想からは、
どんな芽も吹きやしない・・・!
明日から頑張るんじゃない。
今日だけ頑張る・・・!
今日を頑張り始めた者にのみ・・・
明日が来るんだよ・・・!
カイジ「勝つべくして勝つ!」働き方の話より
「目の前の”今日だけ” がんばれる人は、明日も頑張れる人」なのだろう。
余る人になるか、稼ぐ人になるか
かつて、「稼ぐ人、安い人、余る人」
という本がベストセラーになった。
これは、人材を「能力が高い人」「中くらいの人」「能力が低い人」に分類し、
それぞれがどのくらいの稼ぎになるかを分析した本だ。
能力が高い人がこれから「稼ぐ人」になることは疑いようがない。
能力が低い人だけがクビにされる「余る人」になることも自明。
とおもいきや、そうではないようだ。
能力が高い人 = 稼ぐ人
能力が中くらいの人 = 余る人(クビになる人)
能力が低い人 = 安い人
と、なるそうだ。
なぜか?
能力が低い人はクビになるかと思いきや、経営者は雇いたいのだ。
それは「能力が低い人」が使いやすいからだ。
「どんな仕事でもやらないと生きていけない」
給料が安い仕事でも引き受けるからだ。
それに対して「能力が中くらいの人」は、
「それは俺がやる仕事じゃない」
と選り好みして扱いづらいのである。
経営者からすれば、必要がない人材なのだ。
例えば、内定を貰えずに悩んでいるのに、
「中小企業はちょっと・・・」
「やりたい仕事に就きたい。」
「公務員以外考えられない!」
と、選り好みする就活生が多い。
自分の希望や意思を持つのは大事なことだ。
だが、その希望が通るのに見合う能力がある場合だ。
能力が無いのに、選り好みしてはならない。
社会から無視されて「余る人」になってしまうから。
能力を身につけるためにがんばろう。
ブラック企業を支える、ブラック消費者。
経済学で「相互依存」という概念がある。
例えば、企業と労働者は「相互依存関係」にある。
表面的に見ると、企業に労働者が依存しているように見える。
労働者は企業から給料を貰わないと生きていけないから。
だから企業に依存し、企業の命令に基本的に従う人が殆どだ。
そう考えると、労働者だけが企業に依存していると考えられる。
が、それは違うのだ。
労働者は同時に消費者でもある。
消費者は企業が売りだした商品を買う。
消費者が企業の商品を買わないと、企業は生きていけない。
企業は消費者に依存し、消費者の「命令(希望)」に必死に従っている。
つまり、企業も消費者(=労働者)に依存しているのだ。
少し前から「ブラック企業」が社会的問題になっている。
労働者を限界ギリギリまで働かせ、働けなくなったら切り捨てる問題だ。
この問題は、
「その企業の経営者が悪い」
「企業特有の問題」
と、捉える人も多い。
だが原因はこれだけではない。
労働者を過酷な条件で働かせている企業は、消費者のニーズに応えようと必死だ。
消費者「もっと安くしろ!」
企業「はい、お客様は神様です。お客様のご要望にお答えできるように安くします」
安くした結果、売上と利益は下がり、従業員へのサービス残業が増えるのだ。
「ブラック消費者」が企業に「やり過ぎな要求」をする。
そして「ブラック企業」は労働者に「やり過ぎな要求」をするのだ。
「ブラック企業」を作るのは「ブラック消費者」なのだ。
より安く、より良いサービスを選ぶ自分の消費行動が巡り巡り、「ブラック企業」生む。
カイジに出てくる、兵藤会長は語る。
「貧乏人は王にならんと金を求め・・・。
逆に現在いる『王』の存在をより盤石にする」
カイジ「勝つべくして勝つ!」働き方の話より
王を目指そうとする下民が王の持つ富と権力に憧れ、
そのおこぼれに預かろうとするがゆえに王に従う。
こうして、王は絶大な権力を握るのだ。
その支配力がますます強まる。
これはブラック企業を作り出す構造に似ている。
なので、会社への相互依存度が高まる程、企業はブラックになりやすく、経営者が「王のようにふるまう土壌」ができていくのだ。
まとめ
・目の前の”今日だけ” がんばれる人は、明日も頑張れる人
・能力が無いのに仕事を選り好みをすると、社会から無視されて「余る人」になる
・より安く、より良いサービスを選ぶ自分の消費行動が巡り巡り、「ブラック企業」を生み出している
本の一部を紹介したが、社会の裏ルールを知り、勝つべくして勝つための働き方ノウハウが詰まった本であった。
競争社会の中、社会の裏ルールを知らずに闘うことは、不利だ。
不条理・不合理なルールもたくさん存在する世の中だ。
その向かい風に負けず、共にがんばろう。
以上。
今日はこんなところで。
−書き手−
キャリアコンサルタントのHARUKICHI.(@harukichi_macho)
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