「俺はクリエイティブな人間になるんだ!」なんてイキってた20歳の僕がいた。
あれから5年経ち、いまは「クリエイティブ」という言葉の魅力に何も惹かれない。
けども、なぜアレほど「クリエイティブ!クリエイティブ!」と意識だけは高かったのか、イタイほどいまの僕には分かる。
単純に、僕は”型にハマりたくなかった”のだ。
自分だけにしか思いつかないアイデア、自分が特別な考えを有し、自分は何者かになれると信じて疑わなかった。
「思想は人の権利だから、そう思うなら勝手にそう思ってろ」と一言で片付けてしまう人もいるけど、いまの僕は”あえて”過去の自分に伝えたい。
「型にハマる大切さを知りなさい」と。
そんな訳で、今日は”型にハマる大切さ”を編集者「佐渡島 庸平」✕ 漫画家「三田紀房」の対談から学んでいこう。
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人気作の型にハマることから漫画をスタートした
漫画家である三田紀房さんは、僕の大好きな漫画である、「ドラゴン桜」や「クロカン」、「インベスターZ」など、大人に仕事や人生をより良くするための学びや気づきを漫画を通して与える、哲学要素が含有された漫画を書く人である。
以前紹介した、ビジネスマンが絶対に読むべき10の漫画の中に、三田さんの作品はいくつも入っている通り、働くサラリーマンのバイブルとして僕は愛読している。
そんな三田さんの漫画家人生は、人気作の要素を取り入れれば読者は読んでくれるという仮説を持ったことからスタートしたそうだ。
その当時、人気作であった”ミナミの帝王”という漫画を参考にして、「クロカン」という漫画の連載をしたそうだ。
分析の結果、どんな要素が重要か3つに絞りこみ、仮説を持ったそうだ。
1つ目の要素は、顔はデカく書くこと。
2つ目は、決め台詞が毎話あること。
3つ目は、比喩の表現が巧みであること。
「顔がデカイキャラクターが毎話、比喩の表現を用いた決め台詞を入れ込む」という仮説を、実験的に検証したそうだ。
その象徴的な「クロカン」の名シーンがこれだと僕は感じた。
もちろん、連載していく中で、自分なりの試行錯誤を施したそうだが、この「型にハマる」ことを実践したからこそ、オリジナリティが出せたと語る。
クリエイティブなんて簡単に生まれない
「クリエイティブは天から雷に打たれてバリバリっと生まれると思いがちなんだけど、僕の考えでは、ハッキリ言って、人ってそんな簡単に閃かないんだよ」と三田さんは語る。
「閃く人こそ、クリエイターなんだという考えは捨てること。閃かないならどうするかだけど、それはもう先人から学ぶことですね。」と三田さんは語る。
日本には過去に何千人、何万人、何億人という人間が生きて学んだことがあるのだから、彼ら先人から学ぶことが重要なのだそう。
人間は閃かないと考え、才能がないとできないという考えは捨て、先人が残した「型にハマる」ことが重要ということだ。
そして大事なのは、丸パクリの「型にハマる」のではなく、人には分からないようにパクって「型にハマる」したたかさを持てばいいのだ。
これって、サラリーマンでも同じように転用できると僕は思う。
優秀な先輩の資料構成や営業手法、働き方を型どってみて真似したり、ビジネス書を読んで成功哲学的な習慣を実践すれば、自ずと自分の型が見えてくるかと。
ビジネス用語で「TTP」という言葉がある。
これは「徹底的にパクる」の略称だ。
仕事がデキる人ほど、「それいいですね。真似させて下さい」と、人から積極的にパクる傾向にある。
サラリーマンの中には、「俺のやり方で仕事を成功させる!」と豪語し、型にハマることを毛嫌いする人がいる。
別にそれで成果を出せるならば、それでいいと思う。
だけども、成果を上げられなければ、”ただの口だけ野郎”と周囲から批判されるだろう。
既に仕事で成果を出している人の「型にハマる」ことで、自分が成果を出せるならば、誰かに咎められることなく、むしろ会社から喜ばれるだろう。
サラリーマンにとっても、仕事の「型にハマる」ことは重要なのだ。
個性として型破りの要素を入れる大切さ
三田さんの漫画に共通していることが1つある。
主人公のキャラクターには、1つだけ変わったことをやらせるというストーリー設定があるのだ。
たとえば「クロカン」という作品では、高校野球の監督である黒木は、生徒に対し、
「野球がうまくなりたかったら、俺に金を払え!」と、生徒から金を取る。
こんな型破りな高校監督はいない。
そこに面白さやワクワク感といった、いわゆる「クリエイティブ」が自然発生するのだ。
他にも「インベスターZ」という投資漫画では、中学生が投資で学校の運転資金を工面したり、「ドラゴン桜」では弁護士が高校の経営再建をしたりする。
主人公に個性的な型破りの要素を入れることが、面白さに繋がると考えているのだ。
「型にハマる」からこそ、型破りな要素が活きてくるとも感じる。
これは、日本武道でも語り継がれている「守破離」と同義だ。
「守破離」とは?
剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。
「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。
「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。
つまり「型にハマる」ことは、長いサラリーマン人生にとって必要な養分になる可能性が高い。
何よりも、基礎がないのに応用ができる人はいないだろう。
そんなことを、僕はこの対談を通して感じたし、「型にハマること」は非常に大切だと再認識させられた。
あなたの参考になれば幸いである。
共にがんばりましょう。
今日はこんなところで。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
−書き手−
キャリアコンサルタントのはるきち(@harukichi_macho)
↓三田さんの漫画「クロカン」
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