リバキャリ

リバキャリ‐Reverse Career‐

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リバキャリ
Reverse career

ムダな会議の本質は、ファシリテーション能力がないことに帰結される

 

「あの会議、マジでムダじゃね? 1時間話したのに、結局、何も結論でねぇじゃん」

そんな文句を垂れる先輩がいた。

 

確かにその通りだった。

そんなこと、サラリーマンともなれば往々にしてある。

ムダな会議、ムダな資料、ムダな煙草休憩。

 

中には、ムダな会議のための会議なんてあるものだから、おどけてしまう。

 

ムダを持て余した人々の総称が”サラリーマン”だとすると、僕は少し悲しくなってきた。

 

このムダを、どうにか解決したい。

そう思って少しずつだけど、ムダを解決してきた自分がいる。

 

そう思えたのは、他責思考は基本的に僕がスキじゃないからだ。

人に文句を垂れ、自分は何もリスクも追わずに手も動かさない。

 

そういう人間にだけはなりたくなかった。

その思いが原動力となり、

自分で”ムダを解決”する道を選んだ。

 

あなたも自分で”ムダを解決”する道を選ぶならば、僕の話をどうか聞いてほしい。

 

ということで本日は、ムダだと思う会議を有意義なモノへと解決する、

「ファシリテーション」について話していきたい。

 

 

ファシリテーションとは?

ファシリテーションという横文字は、日本語に訳すと「円滑支援」と僕は呼んでいる。

 

具体的に説明すると、会議等の場で発言や参加を促したり、話の流れを整理し、参加者の認識の一致を確認したりする行為が「円滑支援」にあたる。

 

会議自体を取り仕切り、合意形成や相互理解をサポートすることにより、組織や参加者の活性化、協働を促進させるリーダーシップのひとつだ。

 

つまり、ファシリテーション能力とは、会議や話し合いで効率的に目的を達成させるために、必要なビジネススキルなのである。

 

他にもファシリテーション協会ではこのように説明をされている。

ファシリテーション(facilitation)とは、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること。

 

集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味します。

 

その役割を担う人がファシリテーター(facilitator)であり、会議で言えば進行役にあたります。

ファシリテーションとは - FAJ:特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会

 

では、ファシリテーション能力はどうすれば身につくのか?

 

ファシリテーション能力を身につける5つのステップ

ファシリテーション能力を身につけるためには、どうやって会議をファシリテートするかを知る必要がある。

やり方が分からない以上は、型にハマる必要がある。

 

ファシリテーションには、5つの重要なステップが存在する。

これらのステップを1つでも踏み外したら、会議はつまるところ、”ムダ”になる。

 

会議をムダしないためにも、ファシリテーションの基礎を覚えておく必要がある。

では、ファシリテーションの5つのステップを説明していく。

 

ステップ1 会議の場づくり

まず最初に会議を有意義なモノにするためには、「会議の場づくり」が必要だ。

ファシリテーターが会議の場を作るためにやるべきことは、5つに集約されている

 

<ファシリテーターが会議の場づくりでやるべき5つのこと>

①会議の前日までに資料を配布

②アジェンダ(議題)を明確に設定している

③会議のはじめに打ち合わせの目的とゴールを共有する

④話しやすい空気感が作られている(場がピリピリしていない)

⑤10名以上の会議だと議論が進みにくいので、なるべく人数を絞り、最大5名での会議に努めている

 

これら5つを満たすことができれば、ステップ1の会議の場づくりは終了である。

会議の生産性を決定づけるのは最初の場づくりで勝負が決まるので、ここは入念にやろう。

 

ステップ2 意見を引き出す

資料内容を会議メンバーに共有後、導き出したい結論に向けた意見を募るステップ。

 

場づくりが成功していれば、発言しやすい雰囲気が整っているので、「●●さん、どう思いますか?」と、ファシリテーターの自分が話を振ってみよう。

 

そうすると、たくさんの意見が会議室を満たし、どんどん意見が拡散されていく。

これは「拡散プロセス」と呼ばれる。

 

ファシリテーターは、出された意見をオウム返しすることで「あなたの話を聞いていますよ」という態度を示して発言者を安心さよう。

 

また、それまでに出た意見とは反対の立場や、より広い枠組みなどを提示することで、違った観点からの意見をうながす。

より多くの発言を引き出していこう。


また、出された意見をホワイトボードや議事録に書きとめていくことも、ファシリテーターの役割だ。

 

ステップ3 意見を集約する

拡散された意見を今度は集約していく。

これは、「収束プロセス」と呼ばれる。

 

ファシリテーターは、出された意見同士の共通項を探っていく方向にメンバーの意識を向けさせ、それぞれの発言を共通項ごとに分類していく。

 

たとえば、「職場の課題」について会議して出たアイデアを「人・モノ・金・仕組み」といった枠組みに当てはめて分類してみる。

 

「若者の離職」についての会議だとしたら、「給与・人間関係・キャリアアップ・採用方法」などの枠組みで分類ができる。

 

「優秀な野球選手」について会議したならば、「打撃・守備・走塁・投球」などの枠組で分類ができるのだ。


すべての意見を分類し終えたら、ファシリテーターは分類結果が適切かどうかメンバーに問いかけ、全員と合意を取る。

 

これは、会議を結論に向かうために足並みをそろえる行為だ。

もし、ここで納得できていないメンバーがいれば、見過ごすことなく納得できるまで話を詰めていく。

 

こうして、意見を集約させて収束させるのだ。

 

ステップ4 選択肢を比較して判断する

最終的に出た意見を元に、今回の会議目的を達成する必要がある。

会議によっては、決済者がいたり、多数決を取るケースもある。

 

ステップ3で整理した内容をもとに、会議体によって適切な判断を行おう。

ここで重要なのは、ファシリテーターが明確な判断基準を提示すること。

 

・課長に判断を仰ぐのか

・多数決で判断するのか

・最も費用が安い選択をするのか

・投資対効果が最も高い選択をするのか

・営業部にとって最もメリットがある選択が全体最適となる選択なのか

 

ファシリテーターは、よりよい意思決定を行うため、全員が納得できるような判断基準をもとに、望ましい結論を導き出していく。

 

だからこのステップでは、判断軸を設定した上で、判断を行うことが重要だ。

 

ステップ5 結論の合意

最後に、判断を行った結論が、今回の会議で目的を達成しうるものか、論点がズレていないかを全員で確認する。

 

たとえば、「今日の晩ご飯をどうするか?」という家族会議をしたとする。

 

その最終的に判断した結論が「よしっ、今日は暑いし会議で疲れたから、みんなでアイスを食べることに決定!」となったらどうだろうか?

 

頭の中は「???」でいっぱいになるだろう。

本来出すべき結論は、「今日の晩ご飯をどうするか?」であるのに、論点がズレてしまっている。

 

この例は極端だが、論点がズレてしまうことは往々にしてある。

 

最近の例でいうと、コロナ感染対策でパチンコ屋に自粛要請をすることに対する、論点のズレがある。

 

元々、コロナに感染しないための対策としての、自粛要請である。

そしてあくまで、自粛の要請だ。強制ではない。

 

だがいつしか、パチンコ屋を強制的に自粛させることが目的化した、テレビ報道やニュースの嵐だ。

 

気づけば、コロナの感染者を増やさない目的がどこかに消え、「パチンコ屋を自粛さえるぞ!」が目的となっていたのだ。

 

しっかりしたファシリテーターがいれば、絶対にこうはならない。

 

「いやいや、あくまで我々の目的はコロナの感染者を増やさないのが目的だよね。

パチンコ屋なんかよりも、未だに営業している六本木の飲食店や風俗店を取り締まるべきなんじゃない?

都内のラーメン屋では未だに行列つくって営業している店もあるよ?

よっぽどそっちの方がリスクだと思うけど、みなさんどう思う?」

 

こうなるはずだ。

 

ステップ4で出された結論に全員が納得しているかどうか、改めて確認を行う上で、本当に会議の目的を達成できるかどうかが重要だ。

 

その上で、出された結論を実行していくための具体的な行動を決めていくのだ。


「誰が」「何を」「いつ」行うかの枠組を整え、きちんと成果が出るような行動計画を立て、初めてファシリテーションは完結する。

 

また、会議は必ず議事録を後で配信しよう。

後になって冷静になり、「いった・いわない」と反論してきたり、結論を曲げてくる人も稀にいるため、しっかりと会議を明文化した議事録を共有しておこう。

 

書き方は会議で先輩・上司に確実に喜ばれる議事録の書き方を参考にしてくれ。

 

まとめ

会議の質を向上させる、ファシリテーションについての話でした。

 

僕自身、サラリーマンを8年も続けたことで、多くの会議をこなした。

大小問わなければ、おそらく1000回はゆうに超えている。

 

1000回もやると、否が応でもムダな会議がなぜムダか分かった。

 

その原因は、ファシリテーション能力がない人が、会議を開いて目的が永遠に達成されないからだった。

 

昔の僕は、こんなこと偉そうに言えた口ではなかった。

初めて会議を主催した時は、正直ヘタクソ過ぎて何も結論を出せなかった。

 

頭が真っ白になり、会議なんて苦手だった。

ナルトの影分身の術のように、僕にとって一番苦手な仕事が会議だった。

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漫画「ナルト」より

だが、10回20回と会議のファシリテーターをこなしていく内に、少しずつだけど会議をファシリテートできるようになった。

 

気づけば、ファシリテーション能力が身につき、会議の質を向上できる自信がついた。

狙った結論も出せるようになり、人の考えていることを上手くまとめる力もついた。

 

ファシリテーション能力を磨けてよかったと思うし、これからは「はるきちさんの会議は楽しいですし、毎回結論が出て気持ちいいですね」と言われるくらいを目指し、まだまだ精進してきたい。

 

共にがんばりましょう。

 

以上。

今日はこんなところで。 

 

−書き手−

キャリアコンサルタントのはるきち(@harukichi_macho) 

  

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