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新入社員時代に学んだ、工場のPDCAサイクルの意味と具体例が私を支えている

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PDCAサイクル

研修講師「工場の仕事では、PDCAサイクルを回して業務に取り組むことがとっても重要ですよ」

 

入社した際の新人研修で、講師からそう習ったんですよ。

 

はるきの当時は不真面目な新入社員でした。

 

正直、心の中では「んなもん知るか」という具合に舐めに舐めてました。。バナナの皮でも踏んで、転げ落ちる禊(みそぎ)が必要なレベルです。

 

あの当時はいかに「PDCAサイクル」が仕事の根幹であるか、全く理解できませんでした。なぜなら、必要性が分からず困ることも無かったから。

 

いまとなっては180度、考え方が変わりました。

「PDCAサイクル」は超重要です。

 

 

特に会社員として間もない新人の方。

「PDCAサイクル」さえ理解して取り組めば、自然と仕事の成果に繋がる優れた考え方なのです。

 

私も工場で8年働いた経験や、社外の方との製品開発、転職後の仕事でも「PDCAサイクル」を日々活用しています。

 

日々の業務改善からプロジェクト運営、小さなタスク処理まで、汎用性の高いビジネススキルとして活用できるのがPDCAサイクルなのです。

 

特にこんな悩みを持つ方には、本記事は有用となります。

・上司と仕事で認識のズレがよく起きてしまう…

・どうやれば効率よく業務を推進できるのかな? 

・トラブルが起きた際に対処が上手くできない…

 

それらの悩みを「PDCAサイクル」を正しく意味を理解し、具体的な活用ができれば概ね解決できるでしょう。

 

では、PDCAサイクルの意味と私が経験した具体例を見ていきましょう! 

 

 

工場で学んだPDCAサイクルとは何か?

私が学んだPDCAサイクルとは、工場で品質管理を進める上では欠かせない手法でした。

 

いまもよく業務で活用しています。

 

仕事を請け負った際、あなたはどうしますか?

例えば上司から以下のように仕事を請け負ったらどうしますか?

 

上司『わが牛乳工場の生産ライン「牛ちゃん2号」の1日の生産数量を急ピッチで上げてくれ!このままだと来月分の生産量が確保できんのだ!よろしく!』

 

どんだけ無茶ぶりなんでしょうか。。

これ、実際私が化粧品工場で働いていた際、似たような経験をしました。笑

 

「解決しといて」と言われても、何をどうすればいいのでしょうか。。

頭が真っ白になりますよね。牛乳のように。

 

そこで役立つのが「PDCAサイクル」なんです。

 

PDCAサイクルとは、

Plan(計画)」

Do(実行)」

Check(評価)」

Action(改善)」の頭文字をとったもので、業務の効率化を目指す方法の1つです。

 

日本では1990年代後半からよく使われるようになった方法で、計画から改善までを1つのサイクルとして行います。

PDCAサイクルとは? 効率的に回す方法 / ToDoにまで落とす具体例より引用

 

 

図に表すとこうなるんです。

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PDCAサイクルとは? 効率的に回す方法 / ToDoにまで落とす具体例より引用

 

PDCAサイクルとは、業務を手戻り無く効率的に進め、目的を達成するために必要な手順のこと。

 

手順やレシピなしでは、料理するのは難しいですよね。

それと同じく、仕事でも手順がなければ何から手をつければよいか分からないのです。

 

PDCAサイクルとい手順を用いて業務に取り組むことで、成果を出しやすいことを実証してきました。

 

PDCAサイクルは、USの統計学者ウィリアム・エドワーズ・デミング博士(19901993)によって提唱され、普及しました(そのためにPDCAサイクルはデミング・サイクルとも呼ばれる)

第5回 「PDCA」の意外な歴史と本質 (1/2) - ITmedia マーケティングより引用

 

では、このPDCAサイクルの活用事例を先程の上司から依頼があった仕事に落とし込み、考えてみましょう。

 

工場で学んだPDCAサイクルの活用例

PDCAサイクルの活用例を順を追って考えていきましょう。

先程の「牛乳工場の生産ラインにおける、1日の生産数量をあげなさい」を考えるとする。

 

いきなり「よっしゃ、生産数量あげちゃうぜ〜」で解決できたら天才ですよね。もう名探偵コナンばりの解決スピードです。土曜の30分あれば解決できちゃいますよ。

 

現実はそう甘くありません。

PDCAサイクルに落とし込んで考えてみましょう。 

 

Plan(計画)

PDCAサイクルのまずは「P」です。

 

Plan(計画)を建てる事がまずは必要となります。

なぜ最初に計画を立てるのか?

 

それは、やってみて違った方向性だったら手戻りが発生しまったり、行きあたりばったりでは解決できるスピードが遅くなるからです。

 

また、予め計画を作って上司に見せることで、上司と自分の仕事の進め方に相違がないかを確かめることがとても大切です。

 

勝手に無計画で進めて失敗したら、上司もアドバイスすることが何もできません。

そこで、計画を立てる重要性があります。

 

一般的なPDCAサイクルでは、以下の項目の情報を集めます。

 

●上司からの依頼内容

上司『わが牛乳工場の生産ライン「牛ちゃん2号」の1日の生産数量を急ピッチで上げてくれ!このままだと来月分の生産量が確保できんのだ!よろしく!』

 

まず、計画に必要な情報を上司や関連メンバーに確認しましょう。

 

①いつまでに達成する必要があるのか?(いつまでに)

⇒来月が始まる前の今月中で

 

②1日の生産数量を上げる必要がある目的は何か?(なぜ)

⇒来月は生産ラインを停止してメンテンスしなければならない

 

③現状は1日にどのくらい生産できていて、どこまで上げる必要があるか?(ゴールは?)

⇒現状は1日3000L

ゴールは1日あたり10000L

 

④これを成し遂げるために他に人員や時間は投入してよいのか?(労働分配)

⇒現在は10名体制で8時間の稼働。20名体制で16時間までの稼働は許可できる。

 

⑤投資はいくらまで可能なのか?(予算)

⇒投資はできない。しかし、工場内の「牛ちゃん1号」という別の生産ラインは現在使っていないので、活用してもよい。

 

ここまで計画が建てられると、頭がスッキリしますよね。

繰り返しになりますが、計画に立てる上で欠かせない以下5点は抑えておきましょう!

 

<PDCAサイクルの計画段階の5つの要素>

①いつまでに?(期限)

②なぜやるのか?(目的)

③どこがゴールか?(数値目標や状態目標)

④労働分配は?(人や時間を調節できるか)

⑤予算はあるか?(お金を使って解決できるか)

 

以上5点はPDCAサイクルの計画段階にて、どんな仕事でも必要になる要素です!

PDCAサイクルを回す上での前提条件ともいえます。

 

上記5点の内容を元に計画書を作成していきます。

 

牛乳工場の生産ライン「牛ちゃん2号」の1日の生産数量における改善計画

目的:「牛ちゃん2号」は来月は生産ラインを停止してメンテンスしなければならないため、急ピッチで生産数量の改善を行う

 

期限:来月が始まるまでの今月中にて

 

現状とゴール:現状は1日3000Lなので、ゴールは1日あたり10000Lを生産すれば来月分の生産数量は賄える

 

対応策:工場内の「牛ちゃん1号」という、2号と同等の生産力を誇る旧式の生産ラインも同時に稼働する

現在は10名体制で1日8時間のライン稼働だが、20名体制で1日16時間までのライン稼働に変更する

(なお、人員は「緑茶ライン」から応援人員を調整可能)

 

想定される改善効果:

現状⇒牛ちゃん2号 1日3000L(10名×8時間のライン稼働)

改善後⇒牛ちゃん2号 1日6000L(10名×8時間×2勤務)

+ 牛ちゃん1号 1日6000L(10名×8時間×2勤務)

=1日12000L(20名×16時間のライン稼働)

 

「上記計画であれば、目標達成される見込みですのでご承認お願いします」と上司に提案すればOK。

 

ポイントは、文章を読めば問題なく計画上は改善目標が達成できているか、認識が間違っていないかを目合わせすること!

 

この計画段階で目合わせできていないと、行動に移しても失敗に終わる可能性が高いんです。

 

PDCAサイクルの中で、最もこの計画が重要ですね。

では、実際に実行段階に移っていきます。

 

実行(Do)

次に、立てた計画を実行(Do)していきましょう。

実行していく中で、計画通りにいかないこともあります。

 

また、なぜ計画修正が発生したか後で振り返れるように、記録を残すのがポイントです。

打ち合わせをするなら議事録を残す必要があります。 

 

また、仕事には突発的なトラブルがつきものです。

その都度、対応策を上司と相談しながら修正していくのも重要です。

 

ちなみに、行動は週間単位に落として必ず目標を実行していきましょう。

 

先ほどの計画に基づけば、改善により、1日12000Lの牛乳が生産されます。

12000L×1週間=84000Lというが週間単位の目標となります。

 

仮にこの目標が達成できていないとすれば、計画に何か欠点やトラブルが発生していることになります。

 

なぜ週間単位の管理をするかというと、1ヶ月だと長すぎてPDCAサイクルが遅くなるし、1日では短すぎてPDCAサイクルを回しきれないためです。

 

もし1ヶ月終えた段階で、「実は牛乳の生産が計画より上手く行かずに8000Lでした」と言われても、もう手遅れなのです。振ってしまった元彼くらい手遅れです。

 

評価(check)

行動し終わったら、評価(check)していきます。

スケジュール通りなのか遅延していないかを。

 

計画が行動に落とし込まれて問題ないか、評価するのが非常に大切です。

また、やってみて良かった点・悪かった点も評価するとよいでしょう。 

 

評価し比較することで、課題が浮き彫りになってきます。

 

例えば「牛乳の原材料がそもそも足りなくて、これ以上の生産数量は無理」みたいな大きな課題や、

「実は人員不足で生産ラインに人が足りていない」という小さな課題が発生するのです。

 

では、そんな課題を見過ごすのではなく、最後は改善に移していきます。

 

多くの仕事では、実行に移すことで課題が浮き彫りになり、心配も解消されると言われています。

 

「心配とは行動の不足から起こるものである」と、元プロ野球の名監督である野村克也さんの言葉を思い起こします。意中の相手に告白できない甘酸っぱい青春時代を思い出します。

 

改善(Action)

最後に、改善(Action)をします。

 

挙がった課題に対し、解決方法を考えていきましょう。

課題①「牛乳の原材料が足りない」

解決策①→メーカーと調整をする、在庫調整をする、新しい取引先も探す

課題②「人員不足で人が足りない」

解決策②→人を増やせる方法として管理部門からも応援を呼ぶ、派遣会社から応援を貰う

 

上記のように解決策を考え改善に取り組みます。

 

そして改善後の状況を見て、立てた計画(Plan)を修正し、再び行動(Do)に移します。

行動もしっかり評価(Check)して、最後に改善(Action)できる部分は再び改善します。

 

こうしてPDCAサイクルを繰り返し回すことで、目標達成に確実に繋がります。

イメージは螺旋階段のようですね。

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螺旋階段のようにPDCAサイクルを回す

 

ハムスターのように回し車をくるくる回るのではなく、螺旋階段を一歩ずつ駆け上る、それがPDCAサイクルのイメージです!

 

次に、PDCAサイクルの強みと弱みもみていきましょう。

 

実は、PDCAサイクルにも長所と短所があるのです。それを抑えた上で仕事で役立てることが重要となります。

 

工場で学び得た、PDCAサイクルの強みと弱み

PDCAサイクルの強み

PDCAサイクルは、目標・やることが明確になるため、行動に集中しやすいといわれます。

また、課題や問題が浮き彫りになり、問題解決手法としては有用なのです。

 

そして最大の強みは 、誰でもこの手順を守れば仕事が進むこと。

汎用性の高さにあります。

 

経営コンサルタントが使うような、3C分析やSWOT分析などのフレームワークは、普通のサラリーマンには使いこなすことが難しく、活用できる場面がまずありません。

 

だが、PDCAサイクルはどんな仕事でも活用できるのです。

 

私がいた化粧品工場でも、上記の理由より、PDCAサイクルを活用するシーンが非常に多かったと感じます。

 

PDCAサイクルの弱み

PDCAサイクルは、計画がずさんだったり実現性が低すぎると成果を出すことが難しいです。

 

したがって、本記事では計画の部分もかなりボリュームたっぷり書かせて頂きました。

PDCAサイクルでは、計画部分の良し悪しにより、8割の成果が決まるんです。

 

中途半端な計画は、人のやる気も削ぎます。

とりあえずの計画には、とりあえずの実行しか伴いません。

 

その結果、評価せずに改善などを怠り、「ただやっただけのPDCAサイクル」で仕事が進まない場合もあります。

 

最初の計画が不十分で、評価しても改善策が思いつかず、次の計画を練れずに諦めてしまうケースもあります。

 

ですから、PDCAサイクルにおける計画は最も重要なアクションとなります。

 

そして、PDCAサイクルの最大の欠点は時間が掛かるということ。

 

PDCAサイクルを一通り回すのに、業務内容にもよりますが、1日では完結しないことばかりです。

 

瞬発的な仕事には、あまり向いていません。

たとえば、体調不良で欠勤を上司に報告する電話1本かけるのに、PDCAサイクルなんて必要ありません。

 

PDCAサイクルは何週間もの時間を掛け、練られた計画を確実に実行しては評価して改善する、地道な作業なのです。 

 

何度も口酸っぱく繰り返しますが、計画の準備段階で失敗した場合、費やした時間を大きく無駄にするリスクが伴います。

 

だから、PDCAサイクルで最も時間を掛けるべきなのは、最初の計画(Plan)なのです。

準備を失敗すると大変だと、覚えておいてください。

 

かのアメリカ哲学者も、そう語っております。

「準備するのを失敗することで、あなたは失敗の準備をしているのだ。」

 ベンジャミン・フランクリン 

 

工場のPDCAサイクルの意味と具体例から学んだこと

今日のまとめ

<PDCAサイクルの計画段階の5つの要素>

①いつまでに?(期限)

②なぜやるのか?(目的)

③どこがゴールか?(数値目標や状態目標)

④労働分配は?(人や時間を調節できるか)

⑤予算はあるか?(お金を使って解決できるか)

・PDCAサイクルを用いて業務に取り組むことで、成果を出しやすい

・最大の強みは 誰でもこの手順を守れば仕事が進む汎用性の高さにある

・PDCAサイクルで最も時間を掛けるべきなのは、最初の計画(Plan)であり、計画を失敗すると大変

 

PDCAサイクルを身につけるためには、実践してトライアンドエラーを繰り返すほかありません。

 

仕事の中で実践する過程で、自ずとPDCAサイクルの流れとやるべきことが分かってきます。

 

まずは考えるだけで終わらせず、ぜひ行動してPDCAサイクルを実践していきましょう!

 

私の好きな漫画、インベスターZの財前くんもこう語ります。

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漫画「インベスターZ」より

 

 

もし何か質問や気になる点があれば、お気軽にTwitterでDMだったりコメントくださいませ。

 

以上。

今日はこんなところで。 

 

−書き手−

キャリアコンサルタントのはるき(@harukichi_macho) 

 

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