「PDCAサイクルを回して業務に取り組むことが重要だ」
入社した際の新人研修で、講師からそう習った。
正直、「んなもん知るか」と心の中では思っていた。
だが、いまとなっては工場で働く生産エンジニアとして、日々PDCAサイクルを回している。
PDCAサイクルは、品質管理をする上で有用だ。
日々の業務改善からプロジェクト運営、小さなタスク処理まで、汎用性の高いビジネススキルとして活用できるのがPDCAサイクルだ。
では、PDCAサイクルとは何なのか?
PDCAサイクルとは何か?
PDCAサイクルとは、工場で品質管理を進める上では欠かせない手法だ。
僕も業務で活用している。
PDCAサイクルとは、
「Plan(計画)」
「Do(実行)」
「Check(評価)」
「Action(改善)」の頭文字をとったもので、業務の効率化を目指す方法の1つです。
日本では1990年代後半からよく使われるようになった方法で、計画から改善までを1つのサイクルとして行います。
図に表すとこうだ。
PDCAサイクルとは? 効率的に回す方法 / ToDoにまで落とす具体例より引用
つまり、業務を手戻り無く効率的に進め、目的を達成するために必要なレシピのこと。
レシピなしで料理するのは難しいのと同じく、仕事でもレシピがなければ何から手をつければよいか分からない。
そこで、PDCAサイクルというレシピを用いて業務に取り組むことで、成果を出しやすいことを発明したのだ。
PDCAサイクルは、USの統計学者ウィリアム・エドワーズ・デミング博士(1990~1993)によって提唱され、普及しました(そのためにPDCAサイクルはデミング・サイクルとも呼ばれる)
では、このPDCAサイクルの活用事例を考えてみよう。
PDCAサイクルの活用例
PDCAサイクルの活用例を順を追って考えていく。
例えば「牛乳工場の生産ラインにおける、1日の生産数量をあげる」ことを考えるとする。
まずPlan(計画)を建てる。
・いつまでに達成するのか?
・1日の生産数量を上げる必要がある目的は何か?
・現状は1日にどのくらい生産できているのか?
・これを成し遂げるために他に人員は必要ないのか?
・投資はいくらまで可能なのか?
などを考え、ガントチャートを作成して計画を見える化させる。
エクセルでガントチャートを作成する5つの方法 | 作りやすさを比較!サンプルあり | ビズルートより引用
次に、立てた計画を実行(Do)していく。
実行していく中で、計画通りにいかないこともある。
また、なぜ計画修正が発生したか後で振り返れるように、記録を残す。
仕事には突発的なトラブルがつきものだ。
その都度、最適解を考えて行動していこう。
行動は1週間単位で実行する。
1ヶ月だと長過ぎてPDCAサイクルが遅くなるし、1日ではPDCAサイクルを回しきれないためだ。
行動し終わったら、評価(check)していく。
スケジュール通りなのか遅延しているタスクはないかを。
また、やってみて良かった点・悪かった点を確認していく。
そうすれば課題が浮き彫りになってくる。
例えば「牛乳の原材料がそもそも足りなくて、これ以上の生産数量は無理」みたいな大きな課題から、「人員不足で生産ラインに人が足りていない」という小さな課題が発生する。
最後に、改善(Action)する。
挙がった課題に対し、解決方法を考える。
「牛乳の原材料が足りない」
→メーカーと調整をする
「人員不足でひとが足りない」
→人を増やせる方法を考える
そして、立てた計画(Plan)をアップデートし、行動(Do)する。
こうしてPDCAサイクルは回っていくのだ。
PDCAサイクルの強みと弱み
PDCAサイクルの強み
PDCAサイクルは、目標・やることが明確になるため、行動に集中しやすい。
また、課題や問題が浮き彫りになり、問題解決手法としては有用である。
そして最大の強みは 、誰でもこの手順を守れば仕事が進むこと。
汎用性の高さにある。
経営コンサルタントが使うような、3C分析やSWOT分析などのフレームワークは、普通のサラリーマンには使いこなすことが難しく、活用できる場面がまずない。
だが、PDCAサイクルはどんな仕事でも活用できるのだ。
PDCAサイクルの弱み
PDCAサイクルは、計画がずさんだったり実現性が低すぎると成果を出せない。
実行だけして評価せずに改善をしない場合、ただやっただけで仕事が進まない場合もある。
また、評価できても改善策が思いつかず、次の計画を練れずに諦めてしまうケースもある。
そして、最大の欠点は時間が掛かるということだ。
PDCAサイクルを一通り回すのに、業務内容にもよるが、1日では完結しないことばかだ。
瞬発的な仕事には、あまり向いていないのだ。
そして、前述したように計画の準備段階で失敗した場合、費やした時間を大きく無駄にするリスクがある。
したがって、PDCAサイクルで最も時間を掛けるべきなのは、最初の計画(Plan)なのだ。
準備を失敗すると大変だと、覚えておいてほしい。
あのアメリカ哲学者も、そう語っている。
「準備するのを失敗することで、あなたは失敗の準備をしているのだ。」
ベンジャミン・フランクリン
まとめ
・汎用性の高いビジネススキルがPDCAサイクル
・PDCAサイクルを用いて業務に取り組むことで、成果を出しやすい
・最大の強みは 誰でもこの手順を守れば仕事が進む汎用性の高さにある
・PDCAサイクルで最も時間を掛けるべきなのは、最初の計画(Plan)であり、計画を失敗すると大変
PDCAサイクルを身につけるためには、実践してトライアンドエラーを繰り返すほかない。
仕事の中で実践する過程で、自ずとPDCAサイクルの流れとやるべきことが分かってくる。
考えるだけで終わらせず、ぜひ行動してPDCAサイクルを実践していこう。
以上。
今日はこんなところで。
−書き手−
キャリアコンサルタントのはるきち(@harukichi_macho)
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