「仕事はお金を稼ぐため・・・。」 と思う一方、「仕事は自分のやりたいことや社会貢献のためにやるんだ!」という葛藤があります。
「いつまでもあると思うな親と金!自分である程度のお金は稼ぐべし!」
「時は金なり!やりたいことやらなきゃ損!」
様々な相反した意見が頭を駆け巡る。
「もっと売上をあげろ!」と上司に言われたかと思えば、「お客さまを第一に考えて押し売りはするな!」と言われ、悩んだりします。
「仕事でお金と愛情、どっちを大切にすりゃいいんだーっ!!!」と、頭を抱えている人も多いかと。
そんな時の解決策は、Netflixで「呪術廻戦」を見ながらお酒を飲んで忘れたいところですが、私からオススメしたい映画があります。
映画「ザ・エージェント」です。
トム・クルーズ主演作「ザ・エージェント」(1996年)は、プロスポーツの裏側で選手を支えるエージェント(代理人)の仕事を分かりやすく取り上げている映画でめっちゃ面白い。
「ザ・エージェント」から仕事で何を重要にすべきか、主人公の葛藤を上手く描写してまとめられており、サラリーマンなら誰しも共感できる要素が多くて面白いんです。
では、紹介していきますね。
※ネタバレ注意※
- 「ザ・エージェント」のジェリーの言う通り、お金を稼ぐことが全て?
- 「ザ・エージェント」のジェリーは仕事愛に気づく
- お金を稼ぐこと・仕事への愛情は中庸の大切さを知る
- キャリアの悩みはプロに相談するべし!
「ザ・エージェント」のジェリーの言う通り、お金を稼ぐことが全て?
主人公のトム・クルーズ演じる「ジェリー・マクガイア」は、スポーツ界のエージェントとして72人のスポーツ選手を抱えていました。
企業に交渉して契約金やスポンサー料を獲得して成果を上げます。
お金を稼ぐため、クライアントには「アンタのためなら捨て身になって働く!」と強気なジェリー。
選手を商売道具ように扱い、ジェリーも「アコギな商売ってことは気づいてた」と語ります。
サラリーマンにとって、お金を稼ぐことは重要です。
以前、「松下幸之助の「社員心得帖」は新入社員が絶対に読むべき本である」に働きと給料について書きました。
皆さんの月給が仮に10万円であれば、10万円の仕事しかしなかったら、会社には何も残らない。
そうなれば会社は株主に配当もできないし、国に税金も納められない。
だから、自分の今月の働きが、はたしてどのくらいであったかということを、常に自分に問うていく必要がある。
まぁ常識的には、10万円の人であれば少なくとも30万円の働きをしなくてはならないだろうし、
願わくば100万円やってほしい。
会社の存在目的は、利益を社会に還元することです。
お金を稼がないとボランティア活動で終わってしまう。
お金を稼ぐことは重要であり、働く上では基本のキということでしょうか。
「ザ・エージェント」のジェリーは仕事愛に気づく
クライアントのアメフト選手が、4回も脳震とうで倒れて入院しました。
入院して見舞いに行ったジェリーは特に気にする様子もなく、選手が「次の試合には出るよ」と語る姿に笑顔でした。
父がボロボロの姿にも関わらず、お金の話をしたジェリーを見た選手の息子は「死んでしまえ!」と捨て台詞を放ちます。
ジェリーは「僕は背広を着た人食い鮫?」と、自問自答します。
自身がお金を稼ぐために選手を商売道具として扱っていたことに、気づいたのかもしれません。
回想シーンで、ジェリーが大学を出てこの仕事を選んだ理由が明らかに。
「僕の選手のプレーでスタジアムに歓声が湧く」ことや「ケガをしたときも選手を守り抜く」という想いがきっかけだったのです
その後は「お金よりも仕事愛を大事にするため」、抱えるクライアント数を減らすように会社に提案。
ですが、会社は拒否してジェリーはクビになるシーンに現実の厳しさがあります。
ジェリーは自分のクライアントを奪われないように奮闘しますが、残ったクライアントはロッドというアメフト選手のみでした。
ロッドは陽気でおちゃらけな性格とは裏腹に、選手としての寿命が長くないことを理解し、「俺にはお金が必要なんだ!」ということをジェリーに伝えます。
「Show me the money!(お金を用意しろ!)」と高らかに叫んで。
仕事をする上でお金への執着心を捨て、クライアントへの愛情を捧げたのに誰もハッピーにならなかったのです。
お金を稼ぐこと・仕事への愛情は中庸の大切さを知る
仕事はクライアントや仲間への愛情を大事にすることはもちろん、お金も稼ぐ必要があることをジェリーはロッドを通して気づいていきます。
「お金稼ぎだけを目的とする人はクライアントや仲間から信頼されない」
「愛情だけ降り注いでいても今度は会社から信頼されない」
両方をバランス良く行うことで、仕事は上手くいくのだと気づいたのです。
これを表したのが、中庸(ちゅうよう)という言葉です。
意味:かたよることなく、常に変わらないこと。過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま。
語源は諸説ありますが、その一つにこんな話が。
古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスは、「中庸」を「過剰と不足を調整するもの」だと考えました。
過剰と不足を足して2で割った状態が、バランスが取れていて最適であるというのです。
例えば、「勇気」は無謀(過剰)と臆病(不足)の「中庸」です。
「お金を稼ぐこと 」と「仕事への愛情」をバランスよく保つこと(=中庸)が大切なんだと、映画「ザ・エージェント」で知ることができました。
仕事の目的に悩んだ時、自分のやりたいことに息詰まった時、立ち返る際に役立つ知識かと思います。
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今日はこんなところで。
−書き手−
キャリアコンサルタントのはるきち(@harukichi_macho)