「対人ストレスに悩まされて・・・」
そう語り、会社を辞める人が後を立たない。
こちらのデータをご覧頂きたい。
【退職届・願い】「一身上の都合」の意味と注意点、「会社都合」との違い |【エン転職】より
退職理由の実に25%は「人間関係が悪かった」から。
つまり、退職者の4人に1人は、対人ストレスに悩まされ、会社を辞めるのだ。
僕もコミュニケーション能力は高い方ではないので、対人ストレスに悩まされてきた。
「後輩にナメられてムカつく」
「先輩に相談するといつも否定してきて嫌だ」
「この会社の人達とは会話しても話が噛み合わない、価値観が違う」
そんなことを悩んだ時期があった。
いま思い返すと、ネガティブな感情が溢れていた。
毎日しんどかった。
会社を辞めたい、会社から消えたいと、念じていた。
ヤベェ奴だった。
そんな僕が、対人ストレスをどう克服したか?
話していきたい。
人は自分に都合のいい理屈で合理化しようとする
イソップ寓話に「狐と葡萄」という話がある。
キツネが、たわわに実ったおいしそうなぶどうを見つける。
食べようとして跳び上がるが、ぶどうはみな高い所にあり、届かない。
何度跳んでも届かず、キツネは怒りと悔しさで、「どうせこんなぶどうは、すっぱくてまずいだろう。誰が食べてやるものか。」と捨て台詞を残して去る。
手に入れたくてたまらないのに、人・物・地位・階級など、努力しても手が届かない対象がある場合、
その対象を「価値がない・低級で自分にふさわしくない」ものとみてあきらめ、心の平安を得る。
フロイトの心理学では防衛機制・合理化の例とする。
このような事象は、仕事でよく起きる。
願っていた希望と反する絶望のような。
希望と違う部署への異動。
自分と仕事のスタンスが全く合わない上司と働く環境。
努力して頑張って、誰よりも懸命にやったはずなのに評価されない業績評価。
こんな時、自分を合理化する。
「頑張っても頑張らなくても対して変わらなかった。なら、頑張らない方がマシだ」
現実とのギャップを、自分に都合のいい理屈で合理化しようとするのだ。
これが合理化の心理メカニズムである。
一見、投げやりに見えるこの考えは、「都合のよい自己肯定(合理化)」により、精神ストレスを緩和する。
対人関係も同じだ。
「上司と反りが合わない」
「同僚が自分を理解してくれない」
「自分を成長させてくれる尊敬できる先輩がいない」
このような悩みを抱え、そのゴールとして「退職」して自身を合理化する。
自分の都合よい理屈を並べ、「退職」することで対人ストレスから開放されようと行動するのだ。
だが、嫌いな上司だろうが嫌な先輩も同じように合理化する。
「部下と反りが合わない」
「同僚がわがままに話をしてくる」
「成長意欲が低い後輩が多すぎる」
つまり、人間は合理化する生き物だ。
それを理解した上で、コミュニケーションを取ると心が楽になる。
決して、あなたのことが嫌いだから意地悪な関わり方をしているのではない。
都合のよい自己肯定(合理化) をして、ストレスを発散しているのだ。
あなたのおかげで、目の前で怒っている人のストレスが緩和されている。
そう考えると、こちらの対人ストレスも激減するだろう。
合理化は人をポジティブにするが、乱用は禁物
合理化は、人間の自己防衛として働く機能だ。
自分にとって都合の悪い現実を、自分の都合の良い理由に置き換えて正当化する。
先日、僕は卵を家の台所で落とした。
だが賞味期限が1日過ぎている。
「どうせこの卵は賞味期限が切れているから別に捨ててもいい」と開き直った。
自分の都合のよい理由を何かとつけ、開き直るのが合理化だ。
退職理由も同じように、自分を合理化して辞めるケースが多い。
「給料少ないし、先輩ウザいから辞めよ」
「人間関係が微妙だし、元々好きな仕事じゃないし辞めちゃお」
「上司が合わないし無能だから、転職した先で別の上司の下で働きたいから辞めよ」
などを考えたりする。
過度な合理化は、人をどんどん堕落させていく。
合理化ばっかり考え行動する人は、自分勝手な奴だとレッテルを貼られる。
そうすると、自己肯定感が低くなり、また合理化をする。
自分を正当化して自己肯定するのだ。
この永遠のループである。
つまり、合理化を乱用すると自分勝手な奴だと会社で認知されるのだ。
人は自己肯定を感じるために、自分の都合よくポジティプに考え、ストレスを発散したり気持ちが前向きになる生き物なのだ。
それを理解したところで、目の前にいる相手が「基本的に自己中心的に合理化してくる」と身構えておけば、対人ストレスは激減するだろう。
まとめ
・退職者の4人に1人は、対人ストレスに悩まされ、会社を辞める
・目の前で怒っている人のストレスが緩和されていると考えれば、こちらの対人ストレスも激減する
・目の前にいる相手が「基本的に自己中心的に合理化してくる」と身構えておけば、対人ストレスは激減する
世俗では「どうせ、でも、だって」を使用して自己を合理化するケースが多い。
対人関係で悩んだら、この合理化の話を思い出して欲しい。
「人は誰だって自分を合理化しようと無意識な言動や行動をする」と。
ミスコミュニケーションが起きた際、相手だって自身を合理化させたい、自分も合理化させたい。
その感情同士がぶつかるのだ。
お互いの合理化を理解するところから、対人ストレスの激減はスタートするだろう。
共に頑張ろう。
以上。
今日はこんなところで。
−書き手−
キャリアコンサルタントのHARUKICHI.(@harukichi_macho)
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