サラリーマンになったら、いくらお金が貰えるのか、そんなことを気になる学生も多い。
もちろん業種や職種により、稼げる年収にバラつきはある。
だが、新卒1年目の日本で働くサラリーマンが稼ぐ金額はそこまでバラつきはない。
一般的に耳にするのが、「平均年収」という言葉だ。
実はこの平均年収、よくよく調べてみると、幻想であることが分かる。
なぜ、幻想だと分かるのか。
平均年収とは何か?
平均年収とは、1年間で得た総収入額のことだ。
ようは、1年でどれだけ稼いだかだ。
一般的には、税金などが引かれる前の、税込み額で表す場合が多い。
手取り年収ではなく、額面年収と呼ばれる。
国税庁がおこなった調査によると、日本の平均年収は441万円だ。
この数字を見て、高いと思うか低いと思うかはさておき、
この数字を正しく捉えるべき理由について、今日は考えていきたい。
平均年収は妥当性があるのか?
先ほど説明した、平均年収だが、これはサラリーマンの実態に即していない。
なぜなら、平均というのはデータによる偏りが大きいからだ。
どういうことか、説明したい。
例えば、以下5人の平均年収を考えたい。
Aさん:300万
Bさん:350万
Cさん:400万
Dさん:450万
Eさん:1億円
この5人の平均年収は、2300万ということになる。
図に表すとこうだ。
これを聞いて、「確かに」と思うだろうか?
Eさんのせいで、「平均年収がおかしなことになってる」と、そう思うはずだ。
平均を用いたデータ算出において、個々のバラつきが大きいデータでは、信頼性が低くなってしまうのだ。
もちろん、データ数が増えたり、バラつき度合いによっては、信頼性を担保できる。
だが、平均年収では、社長クラスの年収が数億円ある人も含まれるため、妥当性としてはイマイチだ。
たとえば、ソフトバンクの孫正義さんの年収は93億だった年がある。
出典:東洋経済『トップの報酬総額、1位は孫社長の93億円』(2013年1月)
これが含まれた平均年収では、実際の平凡サラリーマンが稼げるお金の実態から、かけ離れていく。
では、サラリーマンの一般的な年収とは、何の数値を信じればよいのか?
妥当性がある年収は、中央値が正しい
年収で見るべき数値は中央値である。
中央値とは、データを小さい順もしくは大きい順に並べて真ん中にくる値を指す。
先ほどの図を元に、中央値を見てみたい。
この図の中でいう、中央値はCさんの値だ。
先ほどの国税庁のデータによると、中央値は360万だ。
コチラの数字の方が、一般的なサラリーマンの年収に近い、そんな実感がある。
年収を考えるときは、大きいデータの影響を受けにくい「中央値」が重要なのだ。
中央値は、 大きすぎたり小さすぎたりするデータでも、ちょうど真ん中をとるので、最終的な数値に影響を及ぼさない。
この数字こそが、一般的なサラリーマンの感覚に近い年収だろう。
これは、就活を行う際にも十分役に立つ。
平均年収が高い業界が、必ずしも良いという訳ではない。
稼げる人が偏っていないのか、その業界や会社で稼げている額の中央値を調べてみよう。
あまりにも偏りがある場合、一部の人が儲かり、ほとんどの人が安い給料で働くブラック企業の可能性も示唆される。
だからこそ、平凡なサラリーマンが見るべき数字は、中央値なのだ。
ぜひ、心に留めておいてほしい。
以上。
今日はこんなところで。
−書き手−
キャリアコンサルタントのHARUKICHI.(@harukichi_macho)
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